2016年08月17日

Russian Iron

Greenfield Village (10) ラシアン・アイアンの処理の仕方の説明を探しても、なかなか見つかるものではない。もうすでに誰もやっていないからだ。
 博物館での再生処理は秘伝の方法でやっているのだろうが、公表されているとは思えない。 古い文献を当たると、それらしいものが見つかる。
 筆者の祖父が使っていた金属便覧昭和25年版には、 400 ℃ で融解した硝石(硝酸カリウム)に清浄な鉄板を浸すと書いてある。
 硝酸カリウムの融点は 333 ℃ だから、それほど高くない。ハンダごての先の温度のほうが高い。るつぼに硝酸カリウムを入れて融かし、磨いた釘を入れると確かに酸化被膜が付き、青みを帯びた艶のある被膜ができる。高温の硝酸カリウムは徐々に分解して酸素を放つので、それが鉄に結び付くのだ。
 しかし、これを大きな鉄板に施そうと思うとなかなか大変だ。どういう装置でやっているのだろう。 
 
 出来たものを、油を付けてぼろきれで磨くと、さらに艶が出る。青い色は干渉膜の色だろうから、削らないように拭く程度だろう。昔の機械式の掛時計のゼンマイ・バネの色が近いが、あれはすぐ錆びてしまう。おそらく、緻密な膜ではないのだ。その点、ラシアン・アイアンは屋外で使っても大丈夫だ。

 模型に塗ってあるのをたまに見るが、艶消しになっていることがある。これは明らかな間違いだ。本物はピカピカだ。そうでないと錆びてしまう。塗装で再現するのは難しいが、銀塗装して磨き、さらに透明青塗料を掛けるぐらいしか思いつかない。プラスティック模型の世界には達人がいらっしゃるだろうから、テクニックを紹介してほしいものだ。

コメント一覧

1. Posted by 一式陸攻   2016年08月17日 12:06
下地に銀塗装をして上に着色用のクリア塗装をするのはエアブラシのテクニックとしてプラモデラーの間ではよく知られていますね。
銀色も今では粒子が大変細かく鏡面のような仕上がりになる塗料もありますが何れにしても上にクリア塗料を均一に塗装するのは些か骨が折れます。
ノズルの細いエアブラシで遠くから塗料の霧を軽く乗せるような調子で根気良く塗装していけばうまくいくはずです。
2. Posted by 信達軽便鉄道   2016年08月17日 12:54
現在は鉄道模型が主ですが以前プラモをやっていた時もありました。
ラシアン・アイアンの実物は見たことがありませんが掲載されている画像で判断すると
つや有黒→シルバー→1000番台ペーパーで軽く下地処理→クリアブルー(最初に黒を吹き付けるとシルバーの発色が良くなります。)
あるいはつや有黒→メタリックダークブルー(クレオス)
でこちらは最初のものより落ち着いた感じになります。
ご参考までに
3. Posted by ゆうえん・こうじ   2016年08月17日 23:30
米国に行ったとき現地のライブスチームモデラーに、ラシアン・アイアンの作り方をデモしてもらったことがあります。
作り方は簡単で、鉄板をバーナーで炙って青黒くなったら止めるというものでした。ただこれはでデモだから簡単で、実際にライブスチームのボイラーをラシアン・アイアンにするときには均一に加熱しないと色むらが出るので難しいといわれていたのを憶えています。

4. Posted by dda40x   2016年08月18日 06:09
コメントありがとうございます。
塗装による方法はかなり難しそうですね。
炎による酸化被膜生成は、アメリカの文献にもその話が出てきます。ゆうえん氏の紹介どおりです。これも試しましたが、温度が一定にならず失敗でした。
融解塩を用いると温度分布が均一になりますから、そこがウリなのでしょう。
融解塩と言えば、以前聞いた話ではイギリスでライヴスティームを作っている人が、銀鑞付けをするのに使うそうです。
所定の隙間を空けて部品を組み立て、銀鑞のかけらを置いて硼砂を融かしたるつぼに沈めるのだそうです。あっという間にできるそうですが、なかなか大変そうです。

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