2016年06月25日

Walker氏のこと その2

flat car 会社のための模型作りだから、勤務中に会社で作る。
「私の人生の中で、あれが唯一の経験でしたね。仕事で模型を作ったのは。」と、剛氏は仰った。剛氏が図面を描き、一部はカツミ模型店で作ったものもある。

reefer 模型とはいうものの、実物通りに扉は開き、ロックも掛かるようにした。実物の図面があるのだから、やればできてしまう。材料は会社が購入し、塗料は塗料会社に注文した。白眉はレイルで、製鋼会社が、わざわざその断面を作って挽き出した。ポイントも熟練工が実物同様に削り出したものを用いた。クロッシングは一体鋳造である

NYC J-1e and streamliner 蒸気機関車はライヴ・スティームだから、ボイラを作らねばならない。井上 豊氏は銅板を丸く曲げてリヴェット留めし、銀鑞付けするつもりであった。ところが、日本碍子の旋盤工が、「ワンピースで作ってやる」と言い出し、薄いボイラを肉厚銅菅から挽き出してしまった。その話を何度も井上 豊氏から聞いてはいるが、いまだに信じられない。銅のような粘っこい材料を旋盤に掛けると、喰い込んでお釈迦になるはずだ。

「彼はね、今で言えば技能オリンピックで金メダルを取れるような人なんだ。出来ないことなんか無いんだよ。」と井上氏は強調した。
 ピカピカの薄いボイラで、素晴らしい出来だったそうだ。 

 1967年、井上氏は C&Oの2-6-6-6 アレゲニィのHOモデルをTMS誌(233号)に発表した。当時はそのような機関車の存在すら、ほとんどの日本人は知らなかったが、彼は本物の図面を持っていたので、わけなく作ってしまったのだ。
 また、井上氏はAlleghenyの発音を正確に覚えていらした。日本の模型人はこの地名をよく知っているのだが、筆者が出会った人の中で、正しい発音をされたのは井上氏と剛氏だけだ。
 参考までに書くと、最初のA強く言うラゲィニ と言えば通じるが、それ以外の発音では不思議そうな顔をされるだろう。しかし、TMSの表記はやや異なってアレゲーニーとなっている。この表記だと第三母音にアクセントが来ると思ってしまうだろう。筆者もそう思った。

コメント一覧

1. Posted by northerns484   2016年06月27日 00:25
> 「彼はね、今で言えば技能オリンピックで金メダルを取れるような人なんだ。

想像もできませんが、バイトの刃先がご自身の手の先の神経と直結されているような方だったのでしょうね。

ところで、Alleghenyの発音は米国人にも難しいのか、Youtubeにはこんなビデオがアップロードされています。

https://www.youtube.com/watch?v=9sllm4h8e-Y

ただ、Henry Ford Museumで見たAlleghenyの脇で流れていた紹介ビデオでは、アクセントはむしろ"ghe"あたりにあった記憶があります。うろ覚えで申し訳ないのではありますが。
2. Posted by 稲葉 清高   2016年06月27日 00:32
> 参考までに書くと、最初のAを強く言う。

ちょっと想像を絶する場所に強弱アクセントですからね。
最近は、便利で youtube で再生できます。
https://www.youtube.com/watch?v=n0R_u0HDaXk

で、その先には、複数形だとアクセント移動が...
https://www.youtube.com/watch?v=aC7pLTpoetY
3. Posted by dda40x   2016年06月27日 11:35
いくつかコメントを戴いています。
日本ではまず模型関係者以外は口にしない音ですが、アメリカ人でもそうかもしれません。
次回の記事になっているんですが、複数形のアクセントは後ろに来ます。
2-6-6-6を複数持っている人がそう発音するのを聞いたことがあります。普通の人は1台だけでしょうね。
博物館の紹介ビデオなら、たくさんあった機関車のことを紹介しているわけですから、アクセントは後ろに移動している可能性はありますね。

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