2016年04月30日

ハンダ付けフラックス

 先日の記事で、飽和溶液を使うと跳ねないということを書いた。我が国では薄めて使うのが常識になっているようだ。

 40年ほど前、ある実験で、筆者は何を熱媒体とすべきかを調べていたことがある。例えて言えば、鍋の中に加熱したいものを入れて直接煮るのではなく、何かの液体を入れて、二重鍋で間接的に加熱する方法を調べていたのだ。
 水では100℃で沸騰が起こる。てんぷら油では200℃くらいまでは平気だ。それ以上になると、あまり良いものがない。危ないが、濃硫酸を熱媒体に使うと、300℃まで大丈夫だ。もっと高い物は、ハンダなどの溶融金属を使う。その中で塩化亜鉛飽和水溶液が320℃まで大丈夫だという文献を見つけたのだ。やってみると本当に沸騰しないが、ガラスのビーカはその温度では少し変形した。

 ハンダ付けは実質的に300℃以下で行われるから、跳ねないハンダ付けができる。ハンダは金属の隙間を埋め、完璧に付く。洗うのは水中で歯ブラシでこすれば完璧だ。飽和溶液は空気中の水を集めるから、徐々に薄まる。だからこそ結晶が下に沈んでいる上澄みを使うのだ。小さいスポイトを使って吸い出す。

電気機関車の作り方 このコピィは、山北藤一郎氏の「電気機関車の作り方」という本の一部である。水で薄めている。塩酸に金属亜鉛を溶かしているから、飽和溶液にはならない。そのままでも薄いが、さらに薄めてしまっている。
 どうもこの辺に薄めるという操作のルーツがありそうだ。いろいろ調べているが、濃いのを使うという記事はまず見ない。
 

コメント一覧

1. Posted by YUNO   2016年05月01日 05:51
化学の知識がまったくないので、実践しようにも基本中の基本がわかりません。

以前、模型店で購入したハンダ付け用の塩化亜鉛水溶液はコテで加熱するとパチパチと跳ねましたので最初から希釈された状態で販売されていると思われます。これを飽和溶液にするには、亜鉛の破片を投入して待つだけで良いのでしょうか?攪拌や保温は必要ですか?

そして、反応が終わったら亜鉛は取り除くのでしょうか、あるいは沈めておかないと飽和状態が維持できないのでしょうか。
また、必要な亜鉛は数グラムと思われますが、少量の亜鉛はどうやって入手すれば良いのでしょうか。
2. Posted by dda40x   2016年05月01日 06:25
塩化亜鉛は亜鉛とは反応しませんから、塩化亜鉛を入手するしか方法はありません。一般の人には買いにくいと思います。
私の手元にはたくさんあるはずなのですが、博物館の工事が始まって以来、倉庫が混乱していて探し出すのは困難です。
3. Posted by ゆうえん・こうじ   2016年05月03日 21:27
フラックスとは少し話が変わりますが、
電気配線用糸ハンダでロジン入りというのがあります。ロジンというのは松ヤニの抽出物のようですが、これはどういう化学的機序でハンダ付けのフラックスとして働くのでしょうか?教えていただけないでしょうか?
またこのロジンというのは、ハンダ付け後、酸化させないので洗浄する必要はないのでしょうか?
4. Posted by dda40x   2016年05月04日 05:57
松ヤニは昔から使われていますが、最初から理屈が分かっていたわけではなさそうです。
金属表面を溶かす能力が必要で、たまたま見つかったのでしょうね。
2011年09月06日の拙ブログにその説明がありますのでご覧ください。中学校の技術家庭の教科書に獣脂を使うと書いてあったのには驚きました。あぶらが付いているとダメだと思っていたので、何かの間違いかと思ったのですが、付きます。

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