2016年04月06日

続 ハンダ付け用フラックスの仕組み 

 最近は塩化アンモニウムを含むものが出てきた。筆者はこれを入れることもあるが、入れないことの方が多い。塩化アンモニウムは分解しやすい化合物である。加熱によって200 ℃以下で分解してアンモニアと塩化水素になる。アンモニアは50℃以上では水の中に溶けていられないので、すぐに放り出される。すなわちアンモニア臭がする。アンモニアの分子量は小さいので、直ちに拡散し、どこかに行ってしまうが、臭うこともあるだろう。

 化学式を出すと拒否反応を示す人もいるので、日本語で説明する。

  塩化アンモニウム + 水   ⇄   塩化水素 + アンモニア↑

という、どちらにも進む反応(化学平衡)がある。高温ではこの平衡が右にずれる。そうすると、ガスが発生して(↑で示している)右辺の物質がなくなるので、右辺の物質(ここではアンモニア)を生み出す方向に平衡が移動せざるを得ない。すなわち塩化水素が生成するのでハンダ付けが容易になる。
 
 残った塩化水素は先回の説明のように、金属表面をきれいにするが、多少はガスになって飛び出す。すなわち、外でやるべきだ。室内では包丁が錆びたり、アルミ・サッシュが傷む元になる。塩化アンモニウムが入っているものは、とにかく多少臭う。 

 面倒なことをたくさん書いたが、塩酸の代わりにあまり臭いがしないものを使っているということである。
  

コメント一覧

1. Posted by コン   2016年04月06日 22:50
2度にわたる解説ありがとうございました。塩化水素が発生すれば良いわけですね。ステンレスフラックスの臭いもわかりました。
2. Posted by dda40x   2016年04月06日 23:07
塩化亜鉛だけで十分なんですけど、何かやりたいんでしょうね。
一度飽和溶液でやってみてください。
違いに気が付くはずです。

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