2016年03月31日

track cleaning car

track cleaning car 線路が微妙に汚れてきた。なんとなく粘りのある汚れが付いている。おそらくハンダ付けの時に発生するフラックスのフューム(煙霧)だ。ヤニ入りハンダを配線の時に使う。空気の流通を良くして行うので、その時に発生する煙の大半は外に出されるが、完全ではないのだろう。
 こういう汚れを取るにはリモネンに敵うものは無い。リモネンはテルペンといって、植物の樹脂を作る基本成分の分子である。厳密に言うと、リモネンはその基本成分の分子が二つからなる。ヤニはかなりの数の分子が重合したものである。構造が似ているので溶かしやすいのである。

track cleaning car 2 リモネンをレイルに塗って汚れを取るには、この track cleaning car を用いる。ペイント・ローラを切ったものを用意し、中に錘を入れる。筆者は大きめのナットを入れる。その時、回転しにくいように軸と直角方向に、その軸を向ける。 転がすと、中で「ドテドテ」とナットが踊るのが良い。アメリカでは鉛の散弾を入れる人もいるし、もう少し細かいネジ(雄ネジ)を入れる人もいる。要するに、簡単に転がってはいけないのだ。
 この筆者の例では、押すとローラが多少滑っているようだ。これぐらいが良い。

 機関車の前に置いて、リモネンを10 mLほど垂らして、ローラを濡らす。機関車で押すと、レールが濡れているので激しくスリップする。すなわち、動輪もきれいになる。一巡りすると乾くが、またローラがリモネンを塗りつける。これを数回繰り返すとローラはかなり汚れてくる。濡れているうちに、洗浄スプレィで汚れを落としてしまう。新聞紙に汚れた液を落とし、それが蒸発した跡を見ると、茶色の粘りのあるものがついている。

 リモネンが良いのは、毒性が事実上無いというところだ。多少なら飲んでも問題ない。ミカンの皮の油だ。子供の頃、これを手に塗ったことを覚えている。これを付けると輪ゴムがクタクタになった。ゴムと共通の基本成分を持つからである。

 線路が綺麗になると、走行が安定する。サウンド装置の音も良くなる。レイアウト全体が、さわやかなオレンジの香りで包まれる。

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コメント一覧

1. Posted by コン   2016年03月31日 11:02
良いものを教えて頂きました。さっそく小分けして模型仲間に使ってもらっています。毒性が無い事と香りが良いのが素敵です。
2. Posted by panorama7500   2016年03月31日 15:34
ちょうどその作業の時に立ち合わせていただきました。
爽やかないい香りに包まれ、線路はきれいになりました。
3周くらいでしたでしょうか機関車の前にトラッククリーニングカーを置いて走らせた後、レイルを指でさすってみたら汚れは付きませんでした。貨車をひっくり返してみて車輪の様子を見てみましたらクリーニング前に付いていた黒い筋は消えていました。実はこの黒い筋はタイヤの踏面中央付近に付き、フランジには付いていませんでした。
3. Posted by YUNO   2016年03月31日 21:15
クリーニング・カーの車輪が、踏面まで黒くなっていますが、この色はどうやって付けた物でしょうか。
4. Posted by dda40x   2016年03月31日 22:41
黒染めではないでしょうか。私がやったわけではありません。
既製品の台車を使わずに捨ててあったのを拾い出しました。
編成の中に入れて走らせる車輛ではないので、低抵抗車輪ではありません。出来の悪いRP25風の車輪です。ジャーナルも単なる円筒型です。
走行距離が少ないのでまだ色が剥げていません。そのうち白くなるでしょう。

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