2016年02月05日

続 条件設定

 起こりうることを想定して設計するのは当然だが、起こりえないことを考えて、これではだめだというのは、いわゆる杞憂である。

 以前、等角逆捻り機構で角棒の外を角パイプで滑らせる機構を試作し、非常にうまくいったと考えている。ところが、「スライダー(滑り子)はダメだ。あれでは磨り減る。」とあるウェブサイトに書いてあるのを見て、噴き出してしまった。

 確かに、重負荷で一日中動く機械とか、埃の多い環境で作動させれば磨り減るだろうし、その更新には費用が掛かるだろう。この等角逆捻り機構は一月に数回動かして説明するだけだ。しかも荷重はほとんど掛かっていない。今回建設中のレイアウトの片隅に、例のぐにゃぐにゃ線路を1 m ほど敷いてみようと思っている。その程度の話だ。そんなに磨り減るわけがない。おそらく孫の代まで確実に作動するだろう。

 教科書に書いてあることを額面通り受け取る人がいる。しかし物事には軽重がある。考える必要もないほど小さなこともあるし、必ず考えて対処せねばならない重大なこともある。その区別を付けられることが、設計の巧拙を生み出す。

 それよりも摺動面と言えば、客車の台車のセンタベアラ、サイドベアラのほうが磨り減るだろう。プルマンは重いので切実な問題だ。そのことに言及した例を見たことがない。筆者はモリブデングリスを塗ってある。一部の極端に重いテンダにはスラストベアリングが入れてある。また、件の等角逆捻り機構にはグラファイト粉を潤滑材として擦り付けてある。
  
 当鉄道では起こりうる軽衝突、脱線に対して様々な手法で備えがしてある。 そう簡単には破損しないはずだ。当然それらは想定の範囲内であるからだ。

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