2016年01月22日

洋白と白銅

 洋白(洋銀)は銅、亜鉛、ニッケルの合金だ。すなわち、白銅に亜鉛を足している。この亜鉛の量の多少が様々な性質の変化をもたらす。亜鉛が少なければ、白くなる。洋白は腰が強い合金でバネにも使える。ナイフ、フォークの材料にも適する。もちろん銀メッキして用いる。俗語で"hotel silver"という言い方がある。ホテルで銀器代わりに使われているのだ。本物を使うと、盗まれて困るからだ。  
 亡父の使ったコンパスやデバイダは洋銀製で、表面が多少酸化されて緑がかって見える。ギターのフレットはどうしてこの合金を使っているのかはわからない。適当な硬さで、弦を傷めないのだろう。色は気にする必要はない。

 白銅貨の100円玉、50円玉はその昔の銀貨、ニッケル貨から現行のものに切り替えられた。純ニッケルを硬貨に使ったのはドイツの真似だと祖父が言っていた。ニッケルは兵器を作るのに不可欠な金属元素なので、備蓄しておかねばならないが、その倉庫を建てるにも金が掛かる。しかし貨幣として流通させれば、国民は大切に保管する。必要な時は何か理由をつけて、無効にすると宣言すれば、慌てて持ってくるだろうということであった。
 現実に、日本でもニッケル貨は戦争時の資材として役に立ったそうだ。朝鮮戦争の時にも値上がりしたので、銅で薄めたものに取り換えたという話がある。
 白銅貨の採用はアメリカの25セント、50セント硬貨の例を見て決めたらしい。インフレで価値が下がり、銀を使えなくなったのだ。

 さて、白銅(cupronickel 銅の入ったニッケルという意味)は展延性に富むので、コインにしやすいし、薄く伸ばして薬きょうにする。黄銅より薄くできるので、火薬量を増やせて効率が良い。レイルにしてもそれほど難点があるようにも見えない。
 たまたまであろうが、洋銀の行き先の無い材料があったことが、その後の鉄道模型の運命を決めたような気がする。 

dda40x at 01:22コメント(1)材料 | 線路 この記事をクリップ!

コメント一覧

1. Posted by 稲葉 清高   2016年02月15日 01:36
> 俗語で"hotel silver"という言い方がある。
国にもよるのかもしれませんが、イギリスの知り合いが大昔にこの言葉を使っていたので、意味を聞きました。

曰く、「銀の食器だと、晩餐会の直前の磨きの人手が大変なんだよー」とのことで、ホテルに限らず、税金に苦しめられている城持ちの連中も、大体これらしいです。
なんかなつかしい言葉です。(まあ、ホテルでは盗難除けってのが大きいのかもしれませんが...)

> アメリカの25セント、50セント硬貨の例を見て決めた
50セント硬貨はケネディハーフの開始 (1964 年のはず) まで銀貨でしたから、ここは「5 セント硬貨」でしょうか。愛称もニッケルですからね。のちに、ハーフダラーも白銅になってしまいますが...

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