2016年01月18日

クランクピンの潤滑

 模型蒸気機関車の中で、一番潤滑に気を使うのはクランクピンである。力が掛かるし、保油装置が無いから、すぐ油切れを起こす。
 ロッドはブラスのドロップ打ち抜きで、厚さはせいぜい2.5 mmである。ピンの太さは4mmが多い。車輪より半径が小さく、テコ比で力が倍増している。普通の潤滑油では効かない。

 筆者はロッドにボールベアリングを入れるようになる前は、スリーブを入れた。接触面積を大きくし、面圧を下げる。少しでも油がたまりやすくした。潤滑油はモリブデングリスだ。このような、圧力が大きな部分では、極圧剤が入っていないと意味がない。モリブデンは有効である。

 最近、K氏から「ベルハンマー」という潤滑油を戴いた。巷では人気なのだそうだ。極圧剤が入っているようで、ロッドに注すと、起動電流が10%以上低下する。しかし、連続3時間以上運転すると、電流が急上昇する。 そのままではモータが焼けるし、電源もシャットダウンされてしまう。ロッドに指を触れると、少し温かさを感じる。
 機関車を重ねたタオルの上に倒し、ロッド廻りを溶剤スプレィで洗う。溶剤は黒い粉とともに下に落ちる。白い紙を敷いて置くと、どれぐらい出たかよくわかる。ガーゼで溶剤を拭き取り、ヘアドライヤで乾かす。自然乾燥すると、気化熱で水滴が付くからである。
 ベルハンマーを細い棒に付け、クランクピンの隙間に吸収させる。3条ウォームのおかげで手で動輪を廻せるから、こういう時は楽だ。すべてのピンに注油し、スライドするピストンロッドや弁棒にも潤滑油を注す。 

 これで完了である。走らせると、電流値は激減する。8Vで平坦線を巡航させると、軽負荷であるから0.3A程度になる。以前は0.5Aほども喰ったのにである。効果はあるが寿命が短いのには困ったものだ。
 この調子では博物館の開館後は、毎日2回ないし3回の洗浄、注油が必要である。 

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コメント一覧

1. Posted by ゆうえん・こうじ   2016年01月19日 09:17
 クランクピン自体の強度が十分なら、ロッドピン自体は出来るだけ細い方がよいのでしょうか?
またロッドとピンの接触面積のことも書かれていますが、これは広い方がよいのでしょうか?
16番/HOだと、ロッドピンの頭を沈めるためにサイドロッドは皿モミをして、ピン穴のロッドが掛かっている部分の厚みが薄い=ロッドとピンの接触面積が狭い ことが多いのですが、これはあまり望ましい状態ではないのでしょうか?
2. Posted by dda40x   2016年01月19日 21:08
 クランクピンは細いほうが良いのですが、減りやすいでしょうね。原則として、軸は硬い材料で、穴は軟らかい材料で作ることになっています。もちろんロッド穴は深さがある方が有利です。昔「潤滑」という本を読みましたら、一般論として、「深さは穴径の3倍以上が望ましい。」とあったので仰天しました。そこで、ボールベアリングを使うと薄くできることに気が付きました。
 本物のロッド穴は様々な工夫がされています。保油装置があったり、フローティング・スリーブが使ってあったりします。16番の皿モミはやってはいけないことのうちに入るでしょうが、減るまで走らせる人は居るのでしょうか。
 HOゲージの模型は出力も小さく、磨り減りもあまり気にならない程度ではありませんか。重負荷で一日に何時間も走らせるわけではないので、そこまで気にするほどのこともなさそうです。

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