2015年12月01日

複捲表現の初出

先日、界磁コイルに中点タップを持つものを複捲と書いているものがあるとお伝えしたが、その初出がどこにあるのか、がなかなかわからなかった。
 先日来、伊藤 剛氏の蔵書の整理に掛かっている。その中に注目すべき本があった。
 西尾音吉氏の「模型電氣機關車と電車の作り方」 科學と模型社版 昭和十年十月二十八日発行 である。その中に複捲の話が出てくる。

”複捲キ即チフィルドヲ倍ニ捲イテ ソノ中間ヨリ口出シヲナシ 之ヲブラシュニ續グ 他端ヲ図ノ通リニスレバ・・・・・・”とある。

 西尾音吉氏には30年ほど前に椙山氏の紹介で会ったことがある。芸術家、いや宗教家といった感じの人で、観念論ばかりを話す人であった。
 その時、「機玄」という本をくれた。言わんとすることはわからぬでもないが、工学が抜けていると感じた。鉄道車輛は機械であって、芸術品ではない。

otokichi nishio この「・・・・の作り方」の中身を熟読すると不可思議なところが多い。どなたかがおっしゃる文系工学の教科書のようだ。ユニヴァーサル・ジョイントの位相は間違っているし、スパーギヤをウォーム・ホイールとして使う、空前絶後のアイデアも載っている。ウォーム軸をその進み角θだけ傾けて、ジグザグの駆動軸を持つ電車が紹介されている。

 以前、剛氏にそのことを聞いてみた。
「いやあれはすごいアイデアですが、走るかどうかは別問題ですね。みんなそういうものに飢えていたのです。すごいなーと言って喜んで見てましたがね。」
 その後の言葉は出てこなかった。 


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