2015年11月21日

スーパー20

 先日の記事スーパ−20のことを書いたら、「そのスーパー20とは何ですか?」という質問を戴いた。

114_4052114_4053 スーパ−20は1950年代にカツミから発売された直捲電動機で、7溝、ボールベアリング入りの高級モータであった。筆者が三線式Oゲージに夢中になっていたころの高嶺の花であった。電機子はskewed(捩じってあって、電機子の位相によるトルク変動を緩和するようになっている。)で、意欲的な製品ではあった。20は、コアの厚みで20mmを指す。”スーパー15”というものもあった。


 後でわかった話だが、外観の設計は祖父江氏で、Lobaughのモータをコピィしたものであった。ロボゥのモータと並べると、ブラシのあたりの処理が酷似している。今だったら、模倣で訴えられるような製品だ。

114_4056114_4055 ボールベアリングが付いているというのが売りであったが、廻すと何かおかしかった。どれを試してもおかしいと思ったので、買わなかった。というと聞こえが良いが、乏しい小遣いではなかなか難しい価格であったし、それほどのお金を出すなら、もっと素晴らしいものでなければならなかった。

 これも後でわかった話であるが、戦災で焼けたボールベアリングを大量に安く買って、それを嵌めたものであったそうだ。道理で、廻すと変な音がした。

 長老のH氏の談話である。戦後、米軍放出品の器械をばらすとボールベアリングが取り出せた。それをローラ・スケートにつけて楽しんだそうだ。実に滑らかであった。
 ところが模型屋でスーパー20を見せてもらうと、やはりどれも軸受から音がする。「この音は何ですか。と聞くと、『ボールベアリングの音だ。』と言うんだ。『ボ−ルベアリングは、みなこういう音がするんだ。』とごまかそうとするから、冗談じゃないと思ってそんなモータは買わなかったよ。」

 ずいぶんひどい話である。ボールは外から見えるタイプで、シールドがないから、埃は入り放題である。それのせいかとも思ったが、油紙で包んであった新品も同じだったそうだ。消費者の無知に付け込んだ極めて怪しい話である。

 モータの軸は太く、先端の歯車等を付ける部分だけ細いのはどうしてかと思っていたが、その焼け残りのサイズが、たまたまその程度の太さだったからだ。

 ヤフーオークションで出ているのは全くの勘違いで、パーマグモータである。あのモータの価値はすでに極端に低くなった。筆者は10台以上持っていたので、アメリカの模型ショウで売ってしまったが、相場は1台5〜10ドルである。

追記: 当時のカツミを知る関係者の証言によると、様々な人がボールベアリングの売込みに来たそうだ。焼けたのはもちろん、半端物のベアリングを持ち込むので、ロットによって軸の太さは違うそうだ。 

コメント一覧

1. Posted by nextcube   2015年12月10日 22:09
WestsideModelsのBigBoyにパーマグモーター(DV-330)が入っていました。dda40xさんの記事を見たあとネオジムを挟んで暫くは動いていたのですが、先日コミュテーターが壊れてしまいました。
とりあえずギア比から逆算して10000rpmぐらいで回る中国製のモーターをつけましたが動き始めが今一つ。もっとトルクがあるモーターにするべきなのか、動輪の軸受けをボールベアリングにしなければならないのか悩み中です。モーターひとつとっても奥が深いですね。
2. Posted by dda40x   2015年12月10日 23:10
コミュテータが壊れるということはかなりの大電流で、抵抗が大きいのでしょう。
ギヤボックスをばらしてグリースを捨て、軽い油(自動車のエンジンオイル程度)にするとうんと楽に動くようになります。また、回転数の低いモータを選べば、動きが改善される筈です。
3. Posted by nextcube   2015年12月11日 00:46
そんなに粘度の低いオイルでいいんですね、勉強になります。Marklin(HO)指定のグリスがあったので固まった古いグリスの代わりに詰めておいたのですが、確かに冬場は固めかも知れません。
モーターはースケールスピードに拘って回転数を欲張ってしまいました。 コアレスモーター等、もう少し探してみます。

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