2015年10月16日

保油機構

倉石榮夫氏 先日行われた関西合運で倉石榮夫氏の市電を拝見した。昨年は体調が良くなく欠席されたそうだが、今年はお元気そうで、新作を披露された。

 久しぶりであったので、いろいろな機構についてお話しさせて戴いた。倉石氏は農業機械の設計をされていた技術者で、機構学の要諦はすべて押さえていらっしゃる。しかも実践に基づいた知識の持ち主で、理論だけの方とは違う。

oil level 電車のギヤは、しばらく前に提供させて戴いた。ギヤボックス完備で油を撒き散らさない。
「保油機構は大したことありません。」
とおっしゃるが、素晴らしい。聞けばシャフトは鋼製で、研磨してあるそうだ。ギヤボックスは図のような構造で、油が入っている。
 ひっくり返して注油すれば、1年以上は持つそうだ。この曲がったパイプがみそである。取付け位置は歯車の中心から外してあるから、歯車によって撒き散らされない。
 倉石氏の模型は小さな機械として、輝いていた。

 日本の模型は長らくブラス軸にブラス軸受で保油機構なしというのが普通だった。
「あんなもの、ダメですよ。」
とのことである。それはそうであろう。筆者もすぐ磨り減る歯車と軸受で迷惑した。専門家の目がどこにも行き届いていなかった。当時のモータは軸受が鉄板についていて、界磁の磁界がバイパスされて、最初から弱め界磁になっている。これには参った。当時、伊藤剛氏はその状態を憂えていた。

 結局、全てを捨てて始めたのが現在につながった。昭和20、30年代の日本の模型界をリードした人たちの不作為の罪は無視できない。

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