2015年06月27日

続 easement

 この記事が出たころ、わが家にドイツから来客があった。日本人なのだが、空港から直接来て、しばらく逗留していった。彼は今話題の国立競技場の設計で、忙殺されているはずだ。

 彼は建築屋さんなので、この種のcantilever(片持ち梁)の撓みの計算などはお手の物だ。記事を見せると、先回も出てきた式を直ぐ導き出し、いろいろな場合を想定して、コンピュータ画面で見せてくれた。記事中、図の定規の向きが反対であることを説明し忘れたのだけども、すぐにこの図は間違っていると気づいた。専門家であるから当然だろうが、筆者が言い忘れても直ちに見破ったのは、さすがだ。

 彼の説明である。
 梁は重力場の中にあって水平であると仮定する。梁には質量があるから、その全長に亘ってその重さを積分しなければならない。すると三次曲線から大きく外れる。それでも三次曲線にしたいなら、梁をだんだん細くしなければならないと言う。
 やはり、彼は現場でいろいろな場合を見ているので、非常にプラグマティックだ。その細くする関数はかなり難しいけれど、結論としては指数関数であるそうだ。もっともこれは撓み量が目に見えないぐらい少ないときの話で、先回の話のように、撓み量が大きいと外れて来る。
 数学というものは面白いもので、素人には想像もできないような現象を計算して予測することができるのだ。
 ここまでは重力場の中の話であって、これから記事の中身に戻る。

 MRの記事にある、重さによる撓みを無視することができる横方向の撓みについても見せてくれた。もちろん細くする必要などない。
 彼も同じことを言った。
「大きく撓むと駄目です。バネはいけません。」
 
 
 これが5年前のことだ。その結果をいろいろな人に伝えたところ、面白がる人も居たが、聞く人の取り方にはいろいろあるらしく、三次式なのがわからないのかと御立腹の人も居る。世の中は単純ではないのだけども。

 先回の数理工学の先生の口から出たファンタジーという言葉には感銘を受けた。様々な問題点がそこに集約されていると感じる。プラグマティズムとは対極の方向にあるものだ。

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コメント一覧

1. Posted by がっちゃん   2015年06月27日 09:29
5 こんにちは。

頭が良い方の中には、自分が理解できないものを間違っていると結論する方もいらっしゃいますので困ったものだと思います。
3. Posted by dda40x   2015年06月29日 08:23
意味深長なコメントですね。
ともかく、緩和曲線とかカント、縦曲線は中に人間が乗っているわけではないので、見かけ上良ければそれで十分なのです。
下手に理論を振り回すとけがをするかもしれません。

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