2015年05月16日

歯車、車輪についての問い合わせ

 最近、昔の記事を読まれて車輪や歯車を希望される方が増えてきた。とても嬉しいことではあるが、すべての部品をストックしているわけではない。設計変更で新しい規格へと変化したものもあるし、用途に応じて、頒布させて戴いている。

 最近作のLow-Dは素晴らしい造形である。裏面も実物風に削り、精度が一段と良くなっている。おそらく機械が更新されたのであろう。走行音が一段と良くなった。
 軸の長さを微妙に長くした。各社の規格のうち、一番長いものを基準にしたのだ。その代わり、台車の軸受けを少し彫り込む必要が出てくる。その作業をする tuner を作って頒布している。これは別項で紹介する予定だ。以前のタイプは高価であるし、アメリカから取り寄せるのも面倒だ。

 tuner は穴を深くすることができる。市販の物も同様だ。できないという記述をどこかで見たことがあるが、否定の証明は難しい。やってみればわかるが、深くできる。今回作成の物はその彫り込む能力を大きくした。アメリカに何本か出て行ったが、大変評判が良い。

 歯車は、難しい問題に直面している。昔頼んだ工場が廃業してしまったのだ。蒸気機関車用には小さいが、ディーゼル用は売るほどある。これはHOにも使える大きさである。

 先日3条ウォームを欲しい方がいらしたので、スラストベアリングを含めてお売りした。すぐに「動かない」と文句を言ってきた。案の上、有鉄心モータを付けていた。
「それは無理ですよ。」
「あっ、そうか。すまん。」で済んだが、このコッギング(米口語ではteething)の件は、あちこちで同様のことが起きている。コアレスでないと意味がないのだが、なかなか難しいようだ。

 さてこのteething と云う言葉であるが、辞書に載っていないという指摘を受けている。辞書に載っていないから怪しいというのは短絡的な発想で、メディア・リテラシィ(新聞、放送などの情報を受けて、正しく理解する力)に問題があるかもしれない 。
 この言葉は正しい。

 10年ほど前カリフォルニアで、この件について講演をした。その時、coggingと云う言葉を使ったら、ほとんどの人が不思議そうな顔をする。近くの人が小声で、「teethingだよ」と言うので、言い直したら皆が納得した顔つきになった。
 コッギングは書き言葉らしい。これが気になっていたので、次のシカゴではわざと、「書物には使ってあるが、あまり通用しないらしいコッギング」と言ったら、全員が爆笑した。
「その通り!」との声があった。
 ニューヨークの会合でも確かめたが、teethingが何の問題もなく通用した。

 言葉は生きている。辞書に載るまでにかなりの時間がかかりそうだ。使われて通用している言葉であるから、辞書に載っていなくても正しいのだ。
  現地で集めた情報を書くと、それをいろいろな方法で検索して関連情報を集める人がいる。どういうわけか、「この情報はおかしい。調べたけどどんな本にも載っていない。ウェブ上でも調べたが載っていない。」と言って来るのだが、ことごとく外れている。足で稼いだ情報には多少なりとも敬意を払ってほしい。こちらも英語は不自由しないので、それ程ひどい間違いはないはずだ。

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コメント一覧

1. Posted by nextcube   2015年05月21日 13:18
5 teethingのくだりですが、私(組込みエンジニアです)の周りでも、同じ様な事がよく起きます。
ネットの検索エンジンで大抵の事が調べられる様になって来たせいでしょうか。検索すれば全ての知識が得られる、あるいは検索の結果を、あたかも自分が経験して前から知っていた様に思い込んでいる人が多くなったと感じています。
そういう人は検証データを見せても中々納得しません。検索結果の方が実際に今自分が見ているデータより正確だと信じてしまう様です。病気というか宗教というか、厄介な話ですね。

2. Posted by dda40x   2015年05月22日 10:21
なるほど、病気か宗教かもしれないというのは、面白い話です。
コンピュータが発達すると、脳の一部を代用してくれるので、その感覚になるのは理解できます。しかし、「調べたけど載っていないので、その話は疑わしい。」と断定するのは、困ったものです。最近その手の話が多く、反論するのも面倒くさく、ほとんど放置してありますが、そういう自信家には参ってしまいます。否定の証明ほど難しいものはないのですがね。

また、実験をしない人が多いのです。人の怪しい実験結果を見聞きして、それが真実だと思う人がいるから不思議です。
条件が怪しいのに、うまくいく結果だけを集める人が多いのです。あるいはおかしな実験結果をを説明する理論を作って、「ほらどうだ。」という人も意外に多くいるのです。博士論文など、実に怪しいものが多いのは残念です。
3. Posted by 技術者見習い   2015年09月04日 22:42
5 dda40xさん、ご無沙汰致しております。
お元気そうですね。
技術者見習いとして商品開発に忙殺されておりました。
商品化が決まり、落ち着いたため、久しぶりにブログを拝見しておりましたら、面白いお話が書かれていたのでコメントさせていただきました。

言葉に関しては判断が難しいですが、その分野、その世界で使っている人がそう言うのであれば、それが正しいのだと思います。
その言葉がたとえ造語であっても、それで通じていればそれが正解なのでしょう。
日本で言えば職人さんの間だけで通じる言葉などが良い例でしょうか。
研究者の世界でも独特な造語はありますし、企業でも競合他社に情報を知られないため、いろいろな言い回しや言葉が存在します。

ネットが身近となり、情報が得やすくなったからか、自身が情報を扱うという意識のない方が多いように思います。
ネットの情報は、一応推敲されている本や論文とは違い、正しいものや有益なものも多々ある一方、発信者の思いであったり、どう考えても理屈が通っていなかったりするものも多数あります。
ネットを利用するのであれば、話半分で捉えて、多くの情報ソースから確実な情報を取捨選択し、その上で大多数で言われていること、自分自身で考えてみても納得いくこと、それを解としなければネットに踊らされているだけです。
調べる人間が、どういった内容をどのように調べ、得た情報をどう扱うかが重要なのだと思っています。
4. Posted by dda40x   2015年09月06日 07:17
 コメントありがとうございます。指摘した人は「辞書で調べた」とおっしゃるのですが、最近ある方から、その人が書かれた記事の発音が違っているのではないかとの質問がありました。その通りです。

 最近、インターネットの普及で、簡単に何かを調べることができるようになりましたから、nextcube様のおっしゃるような事例によく遭遇します。病気という言葉が出てきましたが、笑っていられない状態です。

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