2015年04月12日

電子工学の専門家

 せっかく専門家に来てもらったので、手元にあるいろいろな車輛を見せ、工夫したところを説明した。

 速度計内蔵の車輛にはとても驚いていた。速度は一定区間を通過する時間で測定するものだ、という固定観念が、その方たちには あったようだ。それよりも車内の大きなディスプレィに現在の速度が表示される方が面白い。
 車輪にスリットを入れ通過する光の時間当たりのパルスを数えて、演算する。すなわち表示は3秒に一回更新される。この速度計のついた貨車は、30年も前に作ったものだ。今なら PIC を使って簡単に作れるが、当時は大袈裟な回路で、不調も多かった。 

「それよりも、パルスの間隔の時間を測って、リアルタイムの表示の方が面白い。」と言うのだが、スリットは自作なので、それほどの精度がない。すなわち一定速度で走っていても、速度が一定にならない可能性が高い。

 現在作っているダイナモメータ・カァの構想を話した。どのような構造にすべきか、いろいろなアイデアが出た。
 構造計算の専門家も同席していたので、力が掛かった時の車体の歪みの解析をすると面白いということだった。もちろん模型の歪みは少ないから測定は難しいのだが、等角逆捻り機構の付いた車輛を使えば、線路の不整を調べることが出来るというアイデアには恐れ入った。前後の台車の捻りを測定すると、軌道試験車になるというものだ。これはやってみる価値がある。測定の精度を上げる工夫はしなければならない。
 彼らは等角逆捻りの車輛をひねくり回し、例の不整線路を走らせて、「実に面白い」と評価してくれた。

 この二人の客人は様々なアイデアを出してくれ、それを筆者が聞いて、実現の可能性を探った。すぐにも出来そうなアイデアもあったし、とても無理なものも多かった。
 しかし、どの話もテレメータにするという前提があったのは、時代を反映している。

 Oスケール程度の大きさになると、たいていのものは詰め込むことが出来る。Gセンサを3つ付けて、一周すると、レイアウト全体の図を描くことが出来るというのは、既に夢ではない時代になったそうだ。ジャンボ・ジェットが出来たころ、慣性航法装置と云って最先端の技術だったが、今はカーナビにも付いているのだそうだ。

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コメント一覧

1. Posted by YUNO   2015年04月12日 22:09
立体路線図の作成ですが、今ならスマートホンのほとんどの機種に3軸のGセンサーとジャイロスコープが内蔵されているので、あとはソフトウェアがあれば実現できそうに思います。
Oゲージの大きさなら貨車の荷台に電話機も置けるでしょう。

電話機の傾きを測定して記録するソフトウェアならすでに無料で公開されているので、軌道試験車もすぐにできそうな気がします。
あとは模型サイズで有意な精度が出るかどうかですね。
2. Posted by dda40x   2015年04月14日 20:45
その話も出てきました。たまたま、私の家の二軒隣の人がそのGセンサの開発担当者で、精度の点で問題がまだあるとのことでした。
電話機を載せた車体の傾きではなく、検知車軸の動きを知る必要があります。それをどうするかという事を含めてかなり突っ込んだ話がなされました。 
3. Posted by harashima   2015年04月14日 23:11
>Oスケール程度の大きさになると、たいていのものは詰め込むことが出来る。

最近つくづくそう思います。
HOでは発煙装置とデコーダを詰め込むだけで苦労しますが、Oなら市販のマイコンボードでもまるごと大丈夫でしょう。
今はプログラムの開発も楽で、加速度センサとWiFiの載った製品もあります。
家庭にPCとアクセスポイントがあってあたりまえの時代になりました。
無線を利用したら楽しいと思います。
4. Posted by dda40x   2015年04月15日 00:32
かなり大型の電池も積めますから、それを動力源にしたラジコン機関車も可能です。かなり長時間、動けるはずです。入替機には適するかもしれません。このレイアウトはDCとDCCの両方がありますから、その境目を自力で走れる機関車は便利だろうと思います。
5. Posted by ゆうえん・こうじ   2015年04月15日 10:54
最近は線路からの集電で問題が起きやすい、庭園鉄道はGスケール以上は電池+ラジコンに移行しつつあるようです。ラジコン自体もwifiなどのデジタルに移行しつつあるようです。プラレールのラジコンもあるようですし、DCCの次は何なのでしょうね?
ところでDCCの交流電流が干渉してラジコンにノイズが入るということはないのでしょうか?
6. Posted by たづ   2015年04月16日 01:03
Oスケール以上だと、庭園鉄道という楽しみ方もありますが、電池搭載の動力車利用であれば、降雪地では除雪列車遊びもありえますね。
ただラジコンは無線周波数が27・40・72MHz辺りに数本ずつしか割り振りがなかったはずです。DCC並に本数が取れればいいのですが。
7. Posted by 模型愛好家   2015年04月27日 01:39
最近のラジコンは2.4GHz帯のISM周波数を使用しており、Direct Sequence Spread Spectrum (DSSS) と Frequency Hopping Spread Spectrum (FHSS) の方式があるようです。送受信機でコード(合言葉)を設定しておけば混信せずに数十台が同時に使えるようです。
また、スマホを送信機としても使用できるようです。XBeeのモジュール(切手くらいの大きさ)を使用すれば高周波関連の知識が無くても使えるようです。例えばリアルタイムで双方向通信で車両の情報を手元のスマホやアンドロイド端末等で確認しながら速度制御や汽笛等の機能を遠隔操作できるようでArduino等と組み合わせてオープンソースで開発が進められているようです。

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