2015年03月05日

イコライザとバネ

 今回の天秤棒バネによる方法はイコライザではない。何が違うのかと云うと、イコライザは動作によって仕事をしないはずなのである。仕事をしてエネルギィが蓄えられると、それを放出する方向に動こうとする。場合によってはそれを復元力とも言う。それを積極的に利用することもあるが、イコライジングによる懸架装置とは無縁のものである。

 ここで言う仕事とは、物理学で言う仕事である。要するに線路上の凸部を乗り越えたとき、その変位によって、エネルギィが蓄えられてしまうとイコライザではない。
 仕事の例として、ゼンマイ時計を巻くと云う操作を考えて戴きたい。巻かれたゼンマイは、いずれほどけて時計の針を廻す仕事をする。エネルギィが蓄えられている。 
 今回の天秤棒バネは、線路上の突起によって一輪が持ち上げられると、重心が1/4持ち上げられ、位置エネルギィが増大する以外に、バネがねじられてエネルギィが蓄えられる。いずれそのエネルギィは放出されることになる。

 次に鳩時計の錘を引っ張り上げる操作を考える。重りに位置エネルギーが蓄えられ、針を廻す仕事をする。今野氏の作例では、バネはないが、イコライザ自身が厚板製なので、重くて垂れ下ろうとする方向に行きやすい。その逆方向に捻るのは、重力場の中ではやや重さを感じる。ボルスタ付近の支点もややずれているようで、捻る方向によって、車体が微妙に上下する。作図をすると、支点位置はどこに来るべきか、すぐ分かる。
 すなわち、台車の捻りで、エネルギィが蓄えられたり、放出されたりする。こういうのは、本当はイコライザとは言い難い。バネ等で、引っ張り上げて、重力の影響をキャンセルすべきであろう。brass_solder氏はその重力による影響を打ち消すバネをG-キャンセラと名付けられた。この作例には全ての要素が盛り込まれている。

 
 分かってやっていたことのなのだが、筆者の作例で「仕事をしてしまう」事を看破されてしまった。多分誰も気が付かないだろうと思っていたのだが、目敏い人がいらっしゃった。
 この作例を作るときに、バネを極端に弱くしても”脱線”しないようにした。中央に来ると最も安定化するようにしたので、それから外れる方向に行くと、多少の仕事をすることになる。バネが弱いので、ほとんど無視しうる程度ではある。

 今回TMSに載った記事と同等のアイデアが発表された記事は、すでにいくつかある。
 筆者がいくつか見た中ではこの案が一番賢明である。作り易く、単純明快である。2月26日の記事にある。小池令之氏はアイデアが豊富で手が早い。工作は伊藤剛氏の作風を感じる。  

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