2015年01月21日

続 緩衝材

 古い模型の箱を次々と開けて、内部の緩衝材を見ている。1960年代までの緩衝材は木を薄く削って、さらに縦に2 mm程度の幅にしたものを詰めている。いまだにほとんど弾力を失っていない。木毛(もくめん)と言うのだそうだ。
 この材料を作るところを見たことがある。櫛(クシ)のようにたくさんの刃を付けた刃物を木に押し当てながら引き、次にかんなを掛けるのだ。往復動で大量の削りカスを作る。もっともこれはカスではないが。
 これをハトロン紙でできた紙袋に入れてある。なかなか良い弾力である。その紙袋は長いものや立方体のものがあって、目的に応じて詰め込まれている。

 同時に古着の繊維をほぐして作った綿を、強く圧縮して作ったフェルト状のものも使われている。これが意外と良く、昔と変わらぬ弾力を示す。

 その次の世代はティッシュのような紙を重ねて、部分的にプレスしたものである。はがそうと思えばはがれる。一番上と下の紙だけが、やや厚い。これは時間とともに劣化している。酸性紙の問題もあるだろう。中の薄い紙はもともとは白かったのだが、黄色になっている。弾力も少なくなっている。

 ウレタンはその次の世代で、発泡ポリスチレン(いわゆる発泡スチロール)と共用されていることも多い。後者は「へたり」が少ない。ウレタンは当たり外れが大きい。
 モータが入っていた箱の中ではウレタンのなれの果ての粉末が、カラカラに乾いている。触ると砂状になる。モータだから、実害は少ないが、塗装済みの車輛なら、修復するのに大変な手間がかかることは間違いない。

 その後、ポリエチレンのプチプチが増えてきたが、いまだにウレタンは多い。発泡ポリスチレンの落花生の殻大の粒は取り扱いが面倒である。細かいごみが出やすく、捨てるにも苦労する。

 結局のところ、一番長持ちするのは、自然素材であったと云うのは皮肉だ。ウレタン・フォームを使用してある箱に入っているものは、一旦取り出し、ポリエチレンフィルムに包み直して、入れるしかないだろう。ポリエチレンは日光にさえ当たらなければ、長時間の保管にも変化がない。
 先回お伝えしたのはポリ塩化ビニルで、模型用としては極めて珍しい。

dda40x at 01:21コメント(7)材料  この記事をクリップ!

コメント一覧

1. Posted by skt   2015年01月21日 05:59
最近のNゲージのブック型ケースに使われているような、密度の高いウレタンフォーム材?の耐久性はどんなものなのでしょう?いわゆるスポンジとは、手触りもずいぶん違うような気がしますが。
2. Posted by dda40x   2015年01月21日 07:11
 まさにそれなのです。私もこのタイプのものは大丈夫ではないかと思っていたのですが、融けてべとべとになりました。徴候としては、粘り気を感じた時が捨て時ですね。頻繁な点検が必要です。
 保管場所にもよるので、なんとも言えませんが、20年が一つの目安でしょう。
3. Posted by たづ   2015年01月21日 23:32
しばらくいじっていないのですが、虎の子のNのC56とC62が気になります(買ったのは数年内ですから、2020年くらいまでは大丈夫でしょうけれど)。sktさんの仰る高密度ウレタンで箱が出来てますから。
料理で煮物に使う「キッチンペーパー(パラフィン紙状の紙)」を試してみようかと思いますが、どうでしょうか。
4. Posted by dda40x   2015年01月21日 23:44
多分パラフィン(炭化水素)が含ませてあります。分子量が小さいので拡散してプラスティックおよび塗料に何らかの影響があるでしょう。
高分子材料であるポリエチレンがほとんど唯一の具合の良いものでしょうね。他のものは可塑剤が入っていましょうから、影響がないとは言えないでしょう。
5. Posted by skt   2015年01月24日 14:26
Nゲージのブック型ケースが心配になったので、さっそく台所のポリ袋を切り開いてつくったシートを敷くことにしました。
自作の車輛は、30数年来、ポリ袋のシートで包み、アクアリウムのフィルターの綿を緩衝材にして保管していますが、まったく問題ないです。
台所のポリ袋は薄くて丈夫なので使い易いですよ。
6. Posted by たづ   2015年01月25日 15:21
台所のポリ袋、となるとジップロックの類がベストでしょうか?あるいは単なるコンビニ袋ないしゴミ袋のような素材で大丈夫なのでしょうか(大概後者はポリエチレンだと思いますが)。
Nが小袋、HOなら大袋で収納可能な気はします。
それより大きいものの場合、フィルムシート単体で売っている場所があればいいのですが・・・。
7. Posted by dda40x   2015年01月27日 22:00
ポリエチレンかどうかを確かめるには、細く切って火を付けてみます。たらたらと融けながら燃え、煙がろうそくを燃やした臭いなら間違いありません。

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