2014年12月03日

複々線の路盤設計

2-track roadbed 複線の本線が、ホースシュウ・カーヴを描く場所がある。往きと還りで複々線になる。そのうちの2800R、2900Rの路盤付き線路はすでにあるのだが、3000Rと3100Rを作らねばならない。小さい二つの半径の路盤は写真のように重ねられる(stackable)設計で、可搬式組立て式レイアウトであった。それを半固定式にしてしまうので、隣に来る路盤はこの線路と同様なカントを持たねばならない。カントの勾配は3%ほどだ。
superelevation この写真の作例では、合板の路盤上に断面が三角のカント板を貼っている。非常にめんどうな工法だ。

frustum surface 製作を簡略化するためには路盤自身を傾けてやれば良いのだが、その路盤の展開図の半径は線路半径より微妙に大きくなる。非常に浅い円錐面になるが、作図して計算すると、3000Rであれば1mm強大きくすればよいことが分かった。路盤幅も微妙に広くなる。それで決まりかと思っていたが、数学の専門家に会った時に、線路図を見せたところ、「勾配が付いているのを忘れているのではないか?」という指摘を受けた。
螺旋の一部であるから、平らにすると多少半径が大きくなるよ。」と言う。

「これは普通の幾何学では計算できないけど、僕の専門分野だから計算してあげよう。」と言ってくれた。3日後に、数値を入れた結果を戴いた。空間曲線曲率という概念だそうだ。見たことが無い数学記号がたくさんあった。螺旋に内接する円をたくさん描いて近似する方法である。詳しく説明してくれたのだが、ほとんど理解できなかった。
 1.5%の勾配だと、3000.000Rが3000.675Rになるそうだ。カントによる効果の方がずっと大きい。施工の時の誤差の方が、さらに大きいから、こちらの方は無視できるだろう。

 この数値を入れた図面を作り、NCフライス工場に頼めば一応は準備完了だ。

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