2014年11月01日

平岡氏の講演から学ぶこと

 平岡氏の工作技術はすばらしい。天下一品である。その秘密を知ることができた。
 
 いろいろな人から質問を受けるそうだ。
「長い間掛かって完成させるのは大変だと思います。どうしてそんなに気が長いのですか。」
 平岡氏は決して気が長いほうではないのだそうだ。ライヴスティームの機関車の完成まで二年以上も掛かる。その間気力を充実させる秘訣は、品位の高い部品を作ることだということだ。美しい仕上がりの正確な部品を作れば、次の仕事への原動力になるのだそうだ。
 確かにその通りで、ある。良い品を作ればそれが組合わせられる機関車を早く完成したくなる。

 昔、祖父江欣平氏がBig Boyを作られていたころ、何度かお邪魔した。凄まじい精度の部品をたくさん作られて、
「おい、これどうだ。」
と見せてくれるのだ。セーパー(shaper)を駆使して作られた、小ピラミッドを集積したステップなどをこれでもか、と見せる。
 その時、同じようなことを言われたのだ。
「世界一の精度の部品を作れば、それを組み合わせた機関車も世界一だ。こうやって部品ができてくると、完成が楽しみなんだ。寝ずにでもやりたくなるよ。」

 結局、発注元からの入金が途絶えても、自力で借金までして完成に持ち込んだ。経済的には成功したかどうかはわからないが、すばらしい作品が完成したのだ。その時の祖父江氏の嬉しそうな顔が目に浮かぶ。

 最近は筆者はスクラッチ・ビルドをしないが、再開する時があれば、この言葉を思い出しながらやりたい。
 

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by 一式陸攻   2014年11月01日 12:38
面白いお話ですね。
最近はめっきり作らなくなりましたがプラモデルを作っていた頃も綺麗な、良く出来たパーツで構成されたものだと俄然やる気が出たものなのでそれに近い感覚かもしれません。
そのパーツを自分で作るのですからより一層その思いは強いのでしょう。
3. Posted by ゆうえん・こうじ   2014年11月03日 08:35
車両工作ではキットにせよ、スクラッチにせよ(頭に血が上って)勢いで一気に短期間で作るときは、あまり欠点が見えないと思います。しかし製作期間が長期になると、久しぶりに手に取ったとき冷静に見てしまい、手抜きや妥協した点が気になります。そのまま仕掛かり品になって投げ出したり、またその部分を作り直すことはあると思います。少なくとも自分はそうです。
長期間の製作期間がかかる場合、そういうことを避けて確実に完成に持ち込むには、平岡さんの言われるような姿勢が必要なのだと思ってご講演を聞いていました。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
Recent TrackBacks
Categories
  • ライブドアブログ