2014年10月30日

ネジを立てる

ネジの噛合い率 平岡幸三氏の講演の中で、ネジを立てるときの下穴径を、ネジ径の8割と見込むのは無駄であるとの話があった。2 mmネジなら 1.6 mm の下穴と堅く信じていたが、もっと大きくても良いのだそうだ。


 ネジの噛合い率は55%で良いそうで、それをもとに考えると1.7 mmドリルでも十分過ぎる。言われるまで気がつかなかったが、ネジの先端部など力が掛かったら曲がってしまうのだから、そこまで噛ませる必要はない。根元の太い部分で噛み合うのが大部分の荷重を支えているはずだ。

 先日、トヨタ車のシャシ部分のネジを外した。M10ネジなのだが、小指の先を入れてみると、ネジ山の先端がない。妙にネジの山が低いので不思議だと思った。以前乗っていたドイツ車のネジ穴は、手が切れそうであった。

 平岡氏の話だと、ネジ山を低くすれば、工具の持ちが良くなる。また、省エネルギー、省時間であるということだ。トヨタのような渋い会社ではそういうことは調査済みであろうから、最も安くなる方法を採っているはずだ。
 引抜き強度を調べると、55%くらいでネジ自身の破断と同等になるとのことである。もっともそれは鋼製ネジでのデータであり、快削材製のブラスネジはもっと早く破断するであろう。一度詳しく調べてみたい。

 今まで、ネジ立てには苦労していた。タップを折らないように最深の注意を払っていたが、それも必要がなくなりそうだ。大きな下穴なら、潤滑剤もほとんど要らないだろう。
 タップが垂直に立つように、ネジ立て台を使ってそろそろとグリスを付けてやっていたが、これからはタップを廻すのにクランクを使ってできるであろうと思う。場合によっては、簡単な動力を付けて自動でネジ立てができるであろう。

コメント一覧

1. Posted by Scrap Builder   2014年10月31日 01:50
5 図の55%タイプのネジ、云われてみれば見かけたことがある。山が削れた不良品だと思っていた。

何の知識も無いので、クラブ会員の工具屋さんに教えられ(ブラスの場合)2mmネジは下穴1.6mmでしていた。素材の厚みにも依るかも知れないが、16番のペーパーモデルでは木製の床板を留める時、1.8mmの下穴に2mmネジを直接ねじ込んでOK!
2. Posted by たづ   2014年10月31日 23:48
去年Nゲージのカプラーを工作した時、何の先例も教本もなしに、なんとなく1.7mmネジの下穴は「こんなもんだろな」という感覚で1.3〜1.4mmの穴を開けていましたが、確かに割り算してみるとネジ径の8割程度になっています。
素材はネジ自体は鋼ですが厚手のプラシートへの穴開けですから、また破壊強度の前提は変わってくるとは思います。(真鍮の場合とは逆に、基盤のほうが脆いです)
ネジ穴の径と、噛み合い率の計算式はどのようなものでしょうか。
2mmねじに対し1.7mmより大きくて構わない下穴を55%と算出する方法が、ぱっとは想像がつきません。
3. Posted by にゃんこのおひげ   2014年11月01日 19:39
ネジの下穴径の算出は 「呼び径」-「ピッチ」が正確ですね
M3などは旧JISは2.4mm、ISOは2.5mmと2種類の下穴系になります

以前の勤め先ではその計算結果にタップ折れを防止するため0.1mm大きくするようにと言われていました。
4. Posted by dda40x   2014年11月02日 20:09
コメントありがとうございます。
ドリルの太さは表示よりも0.03mmほど小さいので、ざっと計算するとそうなります。
細いネジ穴では公差が相対的に大きくなりますから、55%より高くしないとダメでしょうね。
また、プラスティックにネジを切るのは効果があるとは思えません。タッピングネジを使うべきです。
5. Posted by ゆうえん・こうじ   2014年11月03日 08:42
あの講演では、ネジ径と板厚の関連もお話しがあったと思います。確かネジを立てるための板厚はネジのピッチの1.5倍は必要といわれたと思います。
とすると箱もの車体で裾にアングルを止めるとき、16番/HOサイズでは、0.4-0.5mm厚程度のアングルが使われますが、ピッチ0.4mmの2mmネジでは板厚不足になるので、ピッチ0.3mmの1.4mmネジを使った方がよいのだと思いました。
6. Posted by dda40x   2014年11月03日 08:47
薄い板にネジを立てるときは、細い千枚通しのようなもので突いて飛び出させ、その中に孔を開けてタップをいれますね。少しでも見かけ上の厚みを稼ぐ方法です。

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