2014年08月05日

博物館経営

 久し振りにDennisに会って、色々と相談したいことがあった。
 アメリカには模型鉄道博物館がたくさんあるが、長続きしているのはどのようなタイプの経営方針なのかが知りたかったのだ。日本ではこのようなことを相談できる相手は皆無である。

 カリフォルニアに在った素晴らしいレイアウトを持つ博物館が、最近閉鎖されたそうだ。解体されて無くなったという。存命中は良かったのだが、その没後、奥さんが博物館を売ってお金に変えたいと言い始めたのだそうだ。
 結局のところ、誰もそれを引き受けることができず、車輌は分売され、ストラクチュアは一部は誰かが持って行ったが、ほとんどが壊され、線路は引き剥がされた。空になった建物は売却されていくばくかの金になり、奥さんのものになった。

 個人経営の博物館はほとんどこのような運命になるそうだ。やはり法人化が必要である。法人化して、政府の認可する博物館として登録されれば、無事に運営されるということは、日米を通じて共通の認識であった。

「でもな、政府の認可を得て、税制上の特典などを得ようと考えると、政府が介入してくるぞ。例えば車椅子の人が入れるように入口にスロープを付けよとか、通路を広く取って車椅子が全周廻れるかとか、防火・避難設備のことについて相当うるさいことを要求されるぞ。」と言う。

「それについてはかなり考慮して、通路幅を決めてあるし、避難用の充電池付きの誘導行燈も付けたんだ。」と答えると、
「それはすごい。そこまでやってあれば言うことはない。」ということになった。

 持って行った線路配置図を見せると、
「当初はこれで良いだろう。そのうち増設の必要が出る。ディスプレイ・レイアウトとして行くのならこれでOK」ということになった。
 デニスの口からディスプレイ・レイアウトと言う言葉が出たのは当然ではあったが、この言葉は日本ではまず聞かない言葉である。

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