2014年05月23日

土地の輸入

 先頃、「時間を買う」という表現をしたところ、若輩者氏からコメントを戴いている。ほとんど見当外れのコメントではあったが、引っ掛かる部分があるので、多少の説明が要る。

 人間は一人で生きているのではないので、全ての面で分業がなされている。
 筆者の場合、食料は農家で得られたものを商業的経路を通じて買い、衣服は工場で作られたものを買い、家は大工に建てさせた。自前の土地があれば、畑を耕したいのだがそうも行かない。裁縫は全く自信がない。
 しかし、家だけは自分でも建てられる。実は増築した部分は、フル・スクラッチ・ビルドである。春の暇な時期を中心に半年くらい掛かったが、既存の部分と同じ材料で一人で建てた。息子たちにも多少は手伝わせた。近所の人は最初は冷ややかな目で見ていたが、完成が近付くと手伝いに来てくれたりした。アメリカに居るときに、建設業の友人のところで修業をしたおかげである。

 模型作りも同じであって、得意なところを専門に受け持つ人がいるのであるから、任せてしまった方が時間の節約にもなる。しかもプロの仕上げには、素人では思いつかない繊細さがある。祖父江氏にフレーム加工を頼むと、ヘアライン仕上げになって返って来る。ちょっとしたことなのだけれども、素人の工作ではまずお目に掛からない。本物はshaper (日本語ではセーパー) で削っているので、水平に線が入っているのだ。
 また、こちらの工夫したところを図解して依頼すると、彼のその後の製品にそのアイデアが使われている。これは嬉しかった。
 動輪の嵌替えも専用の剛性の高いジグを持っているので、頼むとすぐやってくれた。しかし、彼の死後、自前でやる必要が出てきて、現在新開発のジグを作っている。剛性の高い構造のものを設計した。
 いろいろな方から、動輪嵌替えの相談があるので、引受けて差し上げたいと思ったからだ。

 筆者は必要な機械類は持っているし、ノウハウもある。今までは仕事が忙しく、自分でやっている暇もなかったし、頼んだ方が安上がりであった。それを「時間を買う」と表現するのは、全く間違っていない。しかし今は自由な時間を多少は得ることができるので、自前でやることが増えた。場合によっては、時間を売ることもできるかもしれない。

 経済学の勉強をしていた時に、「土地の輸入」という概念が出てきた。

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