2014年05月07日

孔をずらす

 Brass_Solder氏のブログを拝見していて面白い事例を見せて戴いた。ブラス板の孔を少しずらす方法である。板は十分厚いので、ポンチで片方を叩いて延ばし、反対側をヤスリで少し削るのである。0.3 mmくらいずらすときはこれは便利である。この方法は時計の修理法のひとつであって、一般人は知らないテクニックである。
 
 柱時計の歯車が減って噛合いがおかしくなってくると、この方法で歯車を近づけるのである。子供のころ、近所の時計屋のお爺さんが、こうしているのを見た。実にうまいもので、あっという間に直った。当時は時計の寿命は30年くらいのようで、歯車が滑るようになると二箇所ずらして直していた。ゼンマイの力が掛かるところは減り易いのである。

 さらに伊藤剛氏はこういう方法もあると教えてくれた。これも時計修理の常套手段であったそうだ。

shifting a hole slightly
 1 孔の周りを「コの字」に糸鋸で切る。その時、ずらす方向を考えて、バーサインを吸収するように切り方を決める。

 2 休み孔は片方で良い。向うに行って戻って来る時に隙間を切る。切り終わったら、刃を抜いてしまう。 

 3 細いネジ廻しのようなものでコジて、想定した量、孔をずらす。平面性を確認する。

 4 隙間にハンダを流して出来上がりである。

 やり方を工夫すれば 5 mm くらいずらすのは訳ない、とおっしゃった。そこまでやったことはないが、何回か助けられたことを思い出す。

コメント一覧

1. Posted by skt   2014年05月07日 07:08
昔、ナベの底に開いたアナの周囲を金槌で叩いて塞ぐ方法があったのを思い出しました。大きな穴はリベットで塞いでましたね。
2. Posted by dda40x   2014年05月07日 21:49
いわゆる鋳掛屋さんの手法ですね。懐かしいです。
父はその種の修理がとても得意でした。
3. Posted by コン   2014年05月07日 23:21
 叩いて延ばすのは平野氏が8700の記事で述べられていました。伊藤氏の方法は初めて知りました。面白い方法で、技法の引き出しに納めさせて頂きます。ちょっとした工夫をいつも教えて頂いて感謝です。
4. Posted by dda40x   2014年05月08日 07:35
昔の職人はこの種のテクニックを駆使して機械を修理していたのですね。そういう小さな知識が、すでにこの世の中から、大半失われてしまったような感じがします。
金属工作なればこその方法です。

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