2014年04月29日
Frog Juicer
ポイントのフログでは左右の線路が交差するので、極性の切替えが必要となる。昔の市販線路の一部には、絶縁フログがあり、そこは無電区間であった。すなわち、集電車輪数が少ない車輌は立ち往生することがあった。
二軸車ではこの問題は大きく、より接地性を高めるためにバネ可動やイコライジングの必要性があった。それでも集電不良は多く発生した。
のちに英語で、all-rail switchという言葉が出てきた。これはフログを絶縁材料で作らずに、ポイント全てを金属のレイルで作るものであった。フログに給電する極性を何らかの方法で転換した。すなわちフログ部は他のレイルとは切り離されて、独立した電気区間となっている。
DCの時は尖端レイルが接触するストック・レイルから電流を供給すれば、分岐した枝線にもその極性が伝わり、都合が良かった。すなわち、分岐の切り替えによって、その先の枝線の通電を制御できて、好都合だったということもある。
しかしそれでは接触していない(車輪が通過しない)尖端レイルには、その近傍のストックレイルと逆極性の電気が来ていて、ショートの危険が増す。NMRAの規格は30年ほど前更新されている。以前は、この逆極性の時も尖端レイルとストック・レイルとの近接を認めていたが、突然改訂され、離す量を大きくするように要求してきた。理屈はそれでよいのだが、実物より離れる量が大きいのであまり恰好が良いとは言えなかったのだ。
フログだけを独立区間として電気極性を転換すると、左右の尖端レイルはストック・レイルと同極性であるから近接しても良く、NMRA規格でもそれを認めている。これはDCCの導入によってより加速された。
DCCでは、分岐後の枝線にも常にDCC電圧が掛かっている。通電していてもデコーダが遮断するので問題がないのである。フログの極性は尖端レイルの動き(throwing)だけに依存すればよい。その給電方法は、マイクロスウィッチによる転換が主流であった。このようにDCC化を前提に作られた商品を DCC friendly であると称する。
Fast Tracks社はFrog Juicerという装置を発売した。
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コメント一覧
この種の情報は意外と日本では少ないのですね。