2014年02月26日

Low Water Alarm

Nathan Low Water Alarm 2 アメリカの機関車には、Low Water Alarmが付いているものが多い。うっかりしていて水面が下がったことにより、Crown Sheet(火室天板)が過熱して爆発するのを未然に防ぐ装置だ。人的要因による事故を防ぐ装置である。日本にはなかったようだ。

 色々な方式があるが、筆者としてはこの方式の賢さには敬服している。2本の棒があるが、太い方は先端を閉じたパイプである。それはボイラー内に挿さっていて、その下端の高さは、許されていない低水面である。すなわち、下端がその水面から露出した瞬間、警報が鳴るのだ。
 さてどういう仕組みになっているのだろう。

 ボイラはジャケットを被っている。熱が逃げにくいように布団を被っているが、このパイプは露出している。つまり、ボイラと同じ温度になろうとしても、熱が逃げて、多少は冷えてしまう。それでも触れば火傷を負う温度である。熱が逃げるのはもったいないと言っても、安全弁だって露出しているのだから同じだ。
 露出したパイプの先端が150℃であるとする。ボイラの中は210℃ほどもあるので、空のパイプに水蒸気が上がって来ると、ここで冷えて液化する。すなわち、パイプ内には常に水(と言っても熱水)が詰まっている。その温度でのパイプの長さは大体一定である。要するに、パイプの中には温度勾配があって、定常状態を保っているということである。

Nahan Low Water Alarm 何かの間違いで水面が下がり、中の水が落ちるとどうなるだろう。熱い蒸気が直ちに入り込み、パイプは熱膨張する。冷えるから水滴が生じるが、水滴は直ちに流れ落ち、内部が水で満たされることがない。水蒸気が凝縮するとき熱を放出するから、パイプは均一に加熱されて210℃になるのだ。
 熱膨張を検知する装置がある。細い方の棒は大気に触れているから、あまり熱くない。しかもパイプの下にあるから熱があまり伝わって来ない。また、パイプの中味が熱水から水蒸気に変わっても、この棒の長さはほとんど変わらないだろう。

 棒よりパイプが長くなると、それをリンクFで増幅し、キャブ内の気笛を吹鳴させるわけだ。この汽笛が鳴ったら地獄への入り口にさしかかったことになる。
 汽笛を聞いてあわてて給水すると水面が上がり、パイプ内部の水蒸気は冷えて水になるので水面は間もなく上昇し、パイプ内は再び水で満たされる。しかし気笛は、しばらくは鳴り続けるだろう。


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