2013年11月06日

続 FMC

 FMCの場所はこの地図で確認願いたい。本当にUPの本線の脇である。側線を作ってホッパ車を並べているのが衛星写真でわかる。このあたり一帯、地下500 mに膨大な量の炭酸ナトリウムが埋まっているのだ。鉱脈の厚さは数メートルで、ある。シャフトと言われる立坑から水平に坑道を堀り、たくさんのパイプを打ち込む。高圧水を流し込んで炭酸ナトリウムを溶かし出し、池に流し込む。池の水は蒸発するから、結晶を集め、それを加熱して炭酸水素ナトリウムを分解し、さらに加熱して無水炭酸ナトリウムにする。これはソーダ灰 soda ash と呼ばれる商品である。洗濯機の洗剤の15%はこのソーダ灰である。

 水はGreen Riverの支流から、燃料は近所で採れた天然ガスと石油を使う。国土の広い国は羨ましい。
FMC road paved この写真は立坑に向かう道である。典型的なアメリカの田舎道である。土地の表面に沿って舗装を敷いただけである。少しの凸凹を削って埋めれば平らになるのに、と思うのは日本人だけなのかもしれない。
 カリフォルニアの砂漠の中に、もっとひどいところがある。交通量が多いのに、昔囚人を使って作っただけのやっつけ仕事の道がたくさんある。100 mごとに3 mくらいの高低差があり、寝ている人が起きてしまうほどのピッチングが起きる。トラックの荷物が傷むだろう。
 最近は見ないが、70年代には本当に囚人を使ってこの種の工事をしていた。大きな看板が出ていて、”No Hitchhiking"とあった。なんだろうと思ったら、足首に大きな錘を付けられた囚人が例の縞模様の服を着て補修工事に従事していたのだ。そして大きなライフルを持った看守が小高い丘のテントの下で監視していた。

FMC 帰り道、UP本線をたくさんのカヴァードホッパを繋いだ列車が走っていた。向こうで石油精製所のフレアスタック(一時的に処理しきれないガスを排出して燃やす煙突)から巨大な炎が上がった。


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コメント一覧

1. Posted by ゆうえん・こうじ   2013年11月06日 14:02
この採掘法は岩塩と同じですね。
ドイツやオーストリアなどでは岩塩掘り(溶かし)出した後の空洞に出来た地底湖などを観光施設にしているところも多いですが、米国ではその空洞は何かに利用されているのでしょうか?
2. Posted by dda40x   2013年11月06日 16:02
ご覧のような田舎ですから、用途は全く無いでしょう。
支柱は油圧ジャッキですから用が済むと奥の方から順次外してしまう様です。
空間は、おそらく徐々に潰れて行くでしょう。ということは多少は地盤沈下もあるでしょうかが、数百mで6mですから、地表では無視しうる程度です。
岩塩の空洞も見たことがありますが、あちらのほうが高さがあって立派でした。
ドイツなどの岩塩採掘は水も使うのですか。機械掘りばかりだと思っていました。

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