2013年09月07日

機構学

 機構学というのは工学の一分野で、英語ではMechanismという。
 鉄道模型とは何か、という問いに対する答で、筆者が一番高く評価しているのは、「鉄道模型から、色々なものを外して最後に残る本質はメカニズムである。」というものだ。若いときはそれほどでもなかったが、歳をとると、その意味が良く分かるようになった。
 実物を理解し、模型のサイズまで小さくすると何が起こるかも理解できなければならない。実物の動きをまねできる模型の構造に到達するのはかなりの修練が必要である。それが出来るとその走りは素晴らしい。

 先日のJAMでのクリニック(講演)の参加者から、いくつかメイルを戴いている。その中で、筆者の気持ちを代弁してくださったご意見を紹介する。

 

 今回の「等角逆捻り機構」にとどまらず、機構学的要素を模型造りに展開されているdda40xさんの取り組みには、大いに共感を覚えます。

 

 動くことを重要な要素としている、鉄道模型においては動かすための構造(機構)は重要です。ただしそれは、サイズの違いで実物と同じ構造がとれないが故に、模型独自のものでありましょう。車体全体を使った「等角逆捻り機構」も「三条ウォームによる可逆伝動」も然りだと思います。これらの機構を考案・実現することが模型造りを「科学」に昇華させる手段であると思います。かつてそう認められていたように。

 

 先輩諸氏が鉄道模型に取り組まれた時代は、動力や伝動装置を一から造り上げねばならなかったと思います。そんな中でも凝った大作が数多く生み出されてきました。翻って現状を見てみますと、模型雑誌の記事には、市販量産品に対してチョッと手を加えて見栄えを良くした程度のモノが取り上げられ、それとて「科学」の対極にある「アート」の域には程遠い、なんだか中途半端なモノが溢れております。


 伊藤 剛氏をはじめとする先輩諸氏のアイデアが現代の模型の根本にある。それらはまさにメカニズムの工夫なのである。最近模型雑誌を読まなくなったのは、その種のアイデアを紹介する記事がほとんどないからである。姿型のみに興味がある人が増えている。走らせてみると素晴らしいとは言い難い。
 最近は youtube などで動画が見られるが、素晴らしい走りを見せるものには、なかなかお目に掛からない。

コメント一覧

1. Posted by 鹿ヶ谷   2013年09月07日 18:00
機構学のことが一番良く出てくるのが、手前味噌ですがライブスティームなんですね。ライブスティームでは、ほとんどの部品が機能部品なので工学そのものって感じです。そこでModel Engineeringと呼ばれるわけです。ライブでは走らせること、整備することが大変なので、あえてデテールは付けないという行き方もあります。あったほうが当然いいんですが、どうせ走らせる時壊れちゃうし、整備の邪魔なるなら付けないと割りきってます。だから、ライブっておもちゃっぽく見えちゃうんですがね。
ところで、ライブの設計は面白いですよ。機構の知恵の輪を解くみたいで。私はもう人の図面で作ることはないと思います。

2. Posted by dda40x   2013年09月07日 19:50
ライヴスティームは走らなければおしまいですから、必然的にあるレヴェルが保たれています。
電動模型の方は怪しいのがいくらでもあります。市販品が怪しいので、それを見て作るアマチュア作品も怪しくなってしまいます。走らない模型もたくさんありますね。
レイアウトが完成したら、ライヴの方に行きたいと思っています。
3. Posted by DS   2013年09月08日 14:32
ライブスチームは動いてナンボなので工作力や設計力の敷居が高かったり、室内では条件が厳しかったり。でも憧れがあります。なにより「蒸気で動く蒸気機関車の模型」は楽しいでしょうね。
ところでdda40xさんのライブの予定では乗用ですか?YouTubeなどでライブの映像を見ていると、うずうずしてきます。
4. Posted by dda40x   2013年09月08日 20:50
なかなか鋭いご質問です。
実はO scaleです。圧搾空気を入れたタンク車をたくさんつないだ貨物列車を考えていました。
先日のJAMで血圧計用のコンプレッサで動くNゲージ蒸気機関車を見せられて、やられた!と思いました。仕事量が少なければ、(短い列車ならば)電動コンプレッサで動きますね。
明日の記事です。
5. Posted by DS   2013年09月08日 21:08
もう少し大きいスケールでのコンプレッサによる作例はインターネット上でも見たことはありますが、Nゲージでの作例もあるのですね。dda40xさんの今後の発表が楽しみです。
6. Posted by 01175   2013年09月09日 00:15
JAMで御目にかかれましたことは誠に幸いでした。また、お誘いいただいたことでアートモデルズさんのNゲージライブスティーム蒸機を目の当たりにすることもでき、望外の喜びを得ることができました。あらためて御礼申し上げます。

アートモデルズさんのスタッフの方にもお話したのですが、以前、アメリカから入手したドライアイスで走るOゲージ・ライブを持っていました。これは昔のTMSでも紹介されていたと思います。私の所持していたものは速度制御などができない簡単な仕組みのものでしたが、線路を介して電気制御可能なものもあったようです。

http://www.mylargescale.com/Community/Forums/tabid/56/aff/11/aft/126170/afv/topic/Default.aspx
7. Posted by dda40x   2013年09月10日 21:00
皆さんから沢山のコメントを戴いています。
やはり注目の模型だったのですね。
8. Posted by 愛好家   2013年09月14日 14:51
5 画期的ですね。
半田鏝に使用されるようなセラミックヒーターが最近は入手できるようなので40年位前に佐藤氏がTMSに掲載されたC62のような電熱式ライブスチームも敷居が下がっているようですね。当時はりん青銅を使用して時計旋盤を使用して作ったそうです。また、数年前に見たホームページではNゲージのライブスチームの製作に挑戦された方がいて、その方はテフロンをピストンに使用していました。

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