2013年06月15日

動輪の絶縁法

Snow White 7 この図は有名だ。色々なところに引用された。その引用記事に、剛氏の発案と書かれている場合が多いが、実際は丹羽十郎氏の発案である。NMRC会報ヤード誌1950年6月号掲載。
 TMSの元記事(TMS誌1953年5月号)にも書いてあるのだが、ほとんどの人は読み飛ばしてしまうのだろう。丹羽氏も日本車輌にお勤めであった。現在も御存命である。
 
 当時は絶縁車輪が非常に手に入りにくかった。ボス絶縁の車輪も入手困難で、この記事にもあるように、全て自作した。動輪は糸鋸で切り抜いて隙間にセメダインを詰めるというアイデアである。これを見て、実際にやったこともあるが、意外と簡単である。さすがにセメダインの代わりにエポキシ樹脂を詰めたが、良いアイデアである。爪楊枝とあるが、筆者は2mmの金属ネジを使った。薄く油を塗ってエポキシ樹脂が付きにくくしておき、硬化後抜き去る。油を洗って、再度エポキシ樹脂を流し込めば出来上がりである。裏側にテープを貼っておいて、ヘア・ドライアで温めると、流れが良くなるし、すぐ固まる。
 エポキシ樹脂は体積が減らないというのはウソで、少し縮む。

 1952年頃、剛氏はこのアイデアをNMRA会報に投稿したのだそうだ。大きな反響を呼び、爪楊枝の太さとか、竹串の入手法などの問い合わせがアメリカから沢山来たそうである。当時のアメリカにはMax Grayの製品もなく、戦前の絶縁してない製品が大半の時代だったのだ。僅かに安達製作所が作った製品が、Made in Occupied Japanとして輸入されていた程度の時代である。

 この方法は時代を超えて使われている。旋盤を使う工法であるが、薄いバイトを使って正面から切り込む。8割方切り込んだところでエポキシ樹脂を詰める。動輪を裏返して再度切り込む。金属の切削粉が出なくなったら止めて、裏から樹脂を練り込む。先日、所属クラブの例会でそれを実践された作例を拝見した。
 バイトは車輪の曲率に合わせて削製するのだ。HOでは難しいがOスケールなら可能である。切削粉をよく洗い落とすのが大切なことである。それでもショートしたものがあったそうだ。そういうときには大電流を通じてやると、細い切り粉は融けて、場合によっては蒸発してしまう。インチキな方法であるがうまく行く。筆者は何度かやっているが、自動車のバッテリを使うのが良い。内部抵抗が極めて小さいので短絡電流が大きいからだ。車のところに行って、ジャンプケーブルを使ってショートさせる。一瞬で終わる。この方法は40年前に祖父江氏に教えてもらった。

 最近はやりの大型ディスプレィ・モデルを動力化するとき、動輪を絶縁する必要があるが、使える技法である。

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