2013年05月30日

続 Optical Center Punch

 鹿ケ谷氏の仰るように、日本人は熟練を基調としている。持って生まれた「才能」 + 「鍛練」が大切だということになっている。いわゆる達人はその二つを兼ね備えた人である。昔から職人は、「センタ・ポンチを打たせれば、ある程度のことが分かる。」と言う。
 その人の前で打って見せたら、こっぴどく叱られた。
「姿勢が悪い。ポンチが垂直になっていない。ハンマーが水平に当たっていない。」 その他は忘れたが、あと二つくらいあった。
 彼らが使うポンチは先端の角度が浅く、ドリルと同じ角度になっている。
「こんなに浅い角度ですか。」と聞くと「ドリルが踊るからな。」と言う。工具箱に先端が尖ったポンチも在ったので、「これを使うことがあるのですか。」と聞くと、照れくさそうに、
「たまには失敗することもあるからな、ほんの少しずらすときはこれで斜めに打つ。やすりでめくれを取ってから、浅い角度の方でコンと打つのだ。」
 この話は30年ほど前のことで、近所の鉄工所の親父さんに教えてもらったことである。その方も10年以上前に故人となった。
 それ以来、ポンチは2種類持っていたが、オプティカル・センタ・ポンチを入手してからは、失敗することは全く無くなり、尖ったポンチは使っていない。

 日本の模型工作の先輩たちはどんなポンチを使っていたのだろう。おぼろげに覚えているのは、どれも尖ったポンチだ。それではドリルが踊って失敗する。
 祖父江氏だけは、細かい作業の時は浅い角度のポンチを使っていた。

 先回頒布した時は、名人クラスの方が何人か注文されたので、少々驚いた。しかもその方たちから、「素晴らしい。よくぞ勧めてくれた。」と感謝して戴いたので、ますます驚いた。
 正直なところ、「大した物ではない。」というコメントが返って来るものと思っていたのだ。世の中が成熟したのか、我々が歳を取ったのかは分からない。

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