2013年04月02日

Chicago O Scale Meet 2013

 シカゴに毎年行くようになって4年目である。地理もようやく頭に入り、どこへでも行けるようになった。また、多くの知己を得て、色々な方から遊びに来ないかというお誘いも受けるようになった。シカゴのある中西部はかなり保守的な地域であり、よそ者に心を開くには多少の時間が必要ということでもある。
 最初の年はLow-D車輪の紹介をしたのだが、やや警戒心を持たれたようだ。二年目にはその車輪を欲しいという申し出が相次ぎ、大した量ではないがある程度の数が出て行った。その後、評判が広がって少しずつ頒布している。
 今回は何か面白いネタはないのかという話があり、「ロンビック・イコライザ」から始まる「等角逆捻り機構」の応用例を話すことになった。カリフォルニアから話が伝わっていて、前評判は上々で、「面白い話が聞ける」という噂が立ったようだ。

 当日、クラインシュミット氏に会って、「今日来て戴けますか?」と聞くと、「あいにく今日は都合が付かない。どんな話だ?」と聞くので、「それではそこの机を借りてお見せしましょう。」ということになった。

 クラインシュミット氏は手厳しい評論家であって、技術発達史に関しては生き字引のような存在である。過去に色々な物を見せて、感想を聞くと、「それは19XX年に、誰それが特許を取っている。」とか、「〇〇社が売り出した商品にそれが採用されている。」という調子で、あまり認めてもらえなかった。
彼の口癖は、”There is nothing new in the world." である。要するにすでに誰かが考えたものばかりで、完全に新しく考えだされたものなんか無い、というものである。面白かったのは、「最近のトヨタのプリウスのステアリングホィールが電熱で温かくなるものが宣伝されているが、あんな物は昔からある。1920年型の何とかという車に採用されている。いかにも世界最初と言っているが、嘘っ八だ。」という話であった。

113_7672 そこで、筆者が持って行った今野氏製作のロンビック・イコライザの見本を見せ、次にその応用として筆者の改良フカひれイコライザ、パンタグラフ式イコライザを見せた。彼はととても驚き、眼を見開いて見た。持参の凸凹線路を全く脱線せずに通過するのを見て、仰天した。
 何度も押してはその動きを吟味して、「素晴らしい。」「こんなのは見たことがない。」 ”It 's very new!"
という評価を得た。

 ここで彼の評価を得ると、その後の動きはとても早い。あっという間に、その評価が伝わり、たくさんの人が見に来てくれた。

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