2013年02月22日

続 Mobile の GM&O 駅

Segregation lines 現在は2階以上が事務所として使われている。1階も貸したいらしいが、例の浸水以降、誰も借りる人が居なくて困っている。
 実のところ、筆者はこの建物が博物館であると信じていたので、入って見ると守衛が居て、「何の用か」と聞く。
「実は私は日本からこの建物が博物館だと信じて来たのですが、差し支えなければ中を少しだけでも見せてくれないか。」と頼み込んだ。
 

Wing for whitessegregation lines 2 守衛は、「日本から来たのか、そりゃ残念だったね。この建物は博物館ではない。単なるオフィス・ビルディングだけども、1階は空き家だ。構わんから、見たければ見て行け。」と言ってくれた。
 喜んで中に入れてもらい、あちこち写真を撮っていた。すると、いつの間にか守衛は背後から話しかけてきた。
「この2本の線を見てご覧よ。これが何か分かるかい。Segregation Linesだよ。」
 セグリゲイション・ラインとは人種隔離政策による境界線のことである。駅の玄関は二つあり、向かって左は白人用、右は黒人用である。中に入ると、大広間の大理石床の中央に2本の線があり、白人用と黒人用と仕切られていたのだ。柵があったわけではないそうだ。広間を中心として、右の黒人用の領域にはなかったが、左の白人用の部分にはかなり立派な食堂が併設されていた。

waiting room for blacks 列車は黒人用の車輌と白人用の車輌が連結されていた。そして特急列車には黒人は乗れなかったのである。だから最初に紹介したGM&Oの特急の航空撮影で、黒人の刑事が乗っているのを望遠レンズで捉えたのは印象的であった。一部の鉄道は黒人の特急乗車を認めていたが、荷物室に併設した座席車のみに限るなど、厳しい付帯条件を付けていたらしい。だから必要もないのに Combineをつないでいたりする。 コンバインとは荷物室と座席との合造車のことである。

 公民権運動の高まりと、鉄道の斜陽が同時代であったため、その種の差別は急速に姿を消してしまった。しかし、この駅の線だけは消されることなく、差別の歴史を訴え続けている。

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コメント一覧

1. Posted by arx   2013年02月23日 21:11
1970年代でも、転校の際小学校に提出する書類に、肌の色を問う欄がありました。ホワイトとブラックしかなく、「僕はどっちだ?」と先生に聞いたことを憶えています。

今思えば、クラス分けの際偏らないようにしていたのかもしれません。

ヒスパニックはおろかアジア系も全校で2人しかいなかった時代です。
2. Posted by dda40x   2013年02月23日 22:37
今回、「私のようなXanthous(黄色人種) はどうすればよかったんだろうね。この二本の線の隙間を歩かざるを得なかったのだろうか。」と聞いてみたのです。
そうしたら、守衛は「昔は黄色人種はいなかった。私の子供の頃でさえも見たことがなかったよ。最近は中国人がやたら増えているけど、まだこの辺は少ない。」と言っていました。
3. Posted by 01175   2013年02月28日 01:51
私の家は米兵相手の歓楽街にあり対面の店は米兵相手の鉄道模型店で店頭にチーフ塗りの流線型ディーゼルがトンネルから出てくるジオラマがありました。1960年代でもそこを闊歩している水兵は殆ど白人だけで、黒人相手の飲食店は別のブロックにありました。血まみれの黒人兵が倒れていることが良くありましたが、「白人地区」に入りこんだため袋叩きにあった被害者でした。
4. Posted by 01175   2013年03月01日 23:26
肝腎なことを書き忘れました。MR誌など見ていても黒人が登場しません。彼らは鉄道模型をやらないのでしょうか。
5. Posted by dda40x   2013年03月01日 23:31
公民権運動が盛んになるまでは黒人の生活は惨めでした。
今でも確かに格差はありますが、かなり良くなっています。
同様に日本人をはじめとする。アジア人への差別も凄まじいものでした。
私の居た70年代もかなりひどかったのですが、その後の経済発展のおかげで最近はライヴァル視はされても、先入観からの差別は無くなりました。しかし、中国人に対する反発はかなりのものです。これは根本的なところで人生観が違うからでしょうね。

黒人の模型人は居ます。何人か友達が居ますが、有名人には居ませんね。

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