2013年02月06日
ロンビック・イコライザの幾何学
栗生氏の証明に沿って説明しよう。中学校の幾何の時間に、中点連結定理というのがあった。三角形の二辺の中点を結ぶと底辺に平行になるというものだ。これは簡潔明瞭な定理であって、証明は容易である。
今度はその三角形の底辺同士を重ねて任意の四角形を作って見る。すると中点を結んだ線分同士が平行になる。要するに任意の四角形の各辺の中点を結ぶと、必ず平行四辺形が生まれるというわけだ。見方を変えれば、四角形の対角線と、それによって二分されて生じる三角形の中点連結線分は平行になるということである。もう一つの対角線についても全く同様であるから、必然的に平行四辺形が生まれることになる。
それを捻(ひね)るとどうなるかという図がこれである。平行四辺形は微妙に長さが変化するかもしれないが、存在し続ける。対辺が同じ角度だけ捻られたと考えるわけだ。平行四辺形の部分に車体が載っていると考えれば良い。
ロンビック・イコライザの幾何学はこれで終了である。実に簡単な証明であって、明快である。大切なことはこれらの4支点が同一平面上に来ることだ。いくつか作例を見せて戴いたが、支点があらぬところにあって驚くことがある。それでは完全な平面上に置いたときは問題ないが、変位があると、あちこちで矛盾が生じるだろう。動きが渋いのは、たいていそういう種類の間違いから生じている。
当初は原理が証明されていなかったので、この種の間違いに気が付かなかったのは仕方が無い。しかし今後作る時には、この点を十分に考慮した設計をするべきである。
今度はその三角形の底辺同士を重ねて任意の四角形を作って見る。すると中点を結んだ線分同士が平行になる。要するに任意の四角形の各辺の中点を結ぶと、必ず平行四辺形が生まれるというわけだ。見方を変えれば、四角形の対角線と、それによって二分されて生じる三角形の中点連結線分は平行になるということである。もう一つの対角線についても全く同様であるから、必然的に平行四辺形が生まれることになる。
それを捻(ひね)るとどうなるかという図がこれである。平行四辺形は微妙に長さが変化するかもしれないが、存在し続ける。対辺が同じ角度だけ捻られたと考えるわけだ。平行四辺形の部分に車体が載っていると考えれば良い。
ロンビック・イコライザの幾何学はこれで終了である。実に簡単な証明であって、明快である。大切なことはこれらの4支点が同一平面上に来ることだ。いくつか作例を見せて戴いたが、支点があらぬところにあって驚くことがある。それでは完全な平面上に置いたときは問題ないが、変位があると、あちこちで矛盾が生じるだろう。動きが渋いのは、たいていそういう種類の間違いから生じている。
当初は原理が証明されていなかったので、この種の間違いに気が付かなかったのは仕方が無い。しかし今後作る時には、この点を十分に考慮した設計をするべきである。
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コメント一覧
1. Posted by 稲葉 清高 2013年02月11日 11:15
Clinic での講演、お疲れ様でした。
アメリカ人なら、誰が考えたかではなく、良い (面白い) アイデアかどうかで判断する人間が多いですから、さぞ好評だったことでしょう。
Rhombic (rhomboidal) イコライザの理論的な解析で栗生さんが「中点連結定理」を出して来たときには、「やられた!」と思うと同時に、どうして自分ではその「ひし形」が見えなかったんだろうかとしばらく自己分析をしていました。
その後、自分なりに気づいたのは、習った順番として、「中点連結定理」の時はあくまで「平面幾何」として習ったのに対して、リンクの解析で必要だったのは「立体幾何」だったので、完全に別ジャンルと考えていたからだ、ということです。勿論、中点を結んだ線が対角線と平行になるという性質は、立体幾何でも成立する話ですから、その性質を「平面幾何」の棚にしまっていた私の整理法が悪かったってことなのですけどね。そういう意味でもこの件は非常に教訓になりました。
それと、この「中点連結定理」からの導出なら、(ねじれた) 四辺形からねじれのない四辺形を出せれば良いということから、中点でなく等比な点であれば十分という事も、容易にみちびけますね。リンクと考えた場合には、もとの四辺形の各頂点の動きが等しくなくなるので、どれくらい実用性があるかは疑問ですけど...
英語を選ぶ時に rhombus か rhomboid か (そしてそれぞれの形容詞形) のどちらを取るかも、調べて見るといろいろ面白い事があるようですが、長くなったんで又別の機会にでも。
アメリカ人なら、誰が考えたかではなく、良い (面白い) アイデアかどうかで判断する人間が多いですから、さぞ好評だったことでしょう。
Rhombic (rhomboidal) イコライザの理論的な解析で栗生さんが「中点連結定理」を出して来たときには、「やられた!」と思うと同時に、どうして自分ではその「ひし形」が見えなかったんだろうかとしばらく自己分析をしていました。
その後、自分なりに気づいたのは、習った順番として、「中点連結定理」の時はあくまで「平面幾何」として習ったのに対して、リンクの解析で必要だったのは「立体幾何」だったので、完全に別ジャンルと考えていたからだ、ということです。勿論、中点を結んだ線が対角線と平行になるという性質は、立体幾何でも成立する話ですから、その性質を「平面幾何」の棚にしまっていた私の整理法が悪かったってことなのですけどね。そういう意味でもこの件は非常に教訓になりました。
それと、この「中点連結定理」からの導出なら、(ねじれた) 四辺形からねじれのない四辺形を出せれば良いということから、中点でなく等比な点であれば十分という事も、容易にみちびけますね。リンクと考えた場合には、もとの四辺形の各頂点の動きが等しくなくなるので、どれくらい実用性があるかは疑問ですけど...
英語を選ぶ時に rhombus か rhomboid か (そしてそれぞれの形容詞形) のどちらを取るかも、調べて見るといろいろ面白い事があるようですが、長くなったんで又別の機会にでも。
2. Posted by dda40x 2013年02月14日 21:14
少々留守をしておりまして返信が遅れました。
Rhombusは菱形、Rhomboid は平行四辺形なんでしょうが、微妙に形が崩れることもありうるので、より広い定義のRhomboidということになったのです。そこまで考えることもなかったのですがね。
でも、平行四辺形はParallelogramと言った方が通りがよく、実際にPower Point ではその言葉を出しました。
Rhombusは菱形、Rhomboid は平行四辺形なんでしょうが、微妙に形が崩れることもありうるので、より広い定義のRhomboidということになったのです。そこまで考えることもなかったのですがね。
でも、平行四辺形はParallelogramと言った方が通りがよく、実際にPower Point ではその言葉を出しました。