2012年06月24日

Kleinschmidt Drive

COM_4347 Kleinschmidt Drive という言葉がある。Stu によって開発された伝導方式だ。 普通の既製品のドライヴを外して、彼が作ったギヤボックスを付ける。それだけでも十分なのだが、もうひとつディーゼル機関車には特別の装置を付ける。遠心クラッチである。この動作をYoutubeで探したが、みつからない。

 まずモーターをアイドリングにすると、プルプルと廻っている。この時車輪を廻すトルクは取り出されない。回転数を最大速度の20%程度にすると、緩やかにクラッチがつながって行く様子が分かる。巡航速度では、クラッチは全く滑ることがない。
 これの現物を見た時、非常に驚いた。構造はすぐに推測したが、それを大量に作り、十分な寿命を持たせることができる技術力に感嘆したのである。一つや二つなら、筆者にも出来る自信はある。しかし、それを金を取って人に売る自信は全くない。彼はこのドライヴを1000台は作ったと言う。

COM_4333COM_4334 中はこのようになっている。ブラスの丸棒を薄切りにしたものを鋼製の丸棒に通してある。遠心力で外に行って接触するようになっている。相手は鋼製の円筒である。錆びにくいように、黒染めが施してある。注油穴があって、年に一滴油を注せば十分と言っている。20年ほど走らせたものを分解したが、ほとんど減っていなかったと言う。
 多分200年位は十分持つだろうと言う話だ。
 
 この方式は安いモータを使っても滑らかな発進を可能にする。音もなく動き出す。同心性が高くないと、不具合が起きる。その部分の設計、工作が卓抜である証拠だ。
 電気機関車、蒸気機関車には付けたことが無いと言うが、それは当然だろう。安いモーターを使っても、押して動く機関車にはなる。しかし、発電できないから、押したときにヘッドライトは点かない。

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コメント一覧

1. Posted by フレッド折澤   2012年06月24日 09:16
真鍮の半月板を軸側に引き寄せるスプリングなどは無さそうですが、だとしたら停止時でも外側の円筒にどこかしら触れていると思います。それでもしばらく走り出さないのは伝動系の機械損失によるのでしょうか。円筒の回転モーメントを大きくしておけばいいのかな。
停まる時は逆回転するんでしょうか。
2. Posted by ゆうえん・こうじ   2012年06月24日 09:52
Kleinschmidtというのはドイツ語のようですが、なにか謂われがあるのでしょうか?
3. Posted by dda40x   2012年06月24日 22:53
この方式は全体の伝導効率をそれほど高くしたモデルではありません。
おそらく25%程度でしょう。普通の模型は10%弱ですからそれよりはずっと良いのですが、コアレスモータ、3条ウォームの50%以上には遠く及びません。しかし、安い有鉄心モータを使いつつ、極端に滑らかな駆動方式を作り出したことに価値があります。
中には油が入っていますから、低回転では遠心力が弱く、油膜の上を半月状の錘が走っています。だから事実上クラッチは切れています。その時バネは必要ありません。本人も最初はバネが要ると思っていたようです。
モータに供給される電流を遮断すればモータは止まっても、多少惰行するでしょう。しかし1条ウォームですから、逆駆動はできません。すなわち逆回転する必要もありません。
4. Posted by dda40x   2012年06月24日 23:00
もともとヨーロッパの姓氏はその職業を表している場合が多かったのです。粉屋はMiller、鍛冶屋はSmithなどです。
このKleinschmidtはドイツ語で小さな鍛冶屋ですから、昔から時計職人や精密機械工作屋をしていたのではないかと推測した次第です。実際そうでしたから、面白いと思いました。
5. Posted by フレッド折澤   2012年06月25日 11:22
なるほど、クラッチから先にはフライホイールが無いので大して惰行はしないわけですね。
回転モーメントはむしろ小さめにするべきですね。

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