2012年06月22日

続々々々々 Stu を訪ねて  

COM_4366-2COM_4367-2 フライスで削り出したフレイムである。多分ペンシィのロッド式電気機関車であろう。中の二軸ずつが動軸で、外の一軸がジャック・シャフトである。
 短く作って継ぎ手でつないである。長いものの工作は好きではないらしい。

COM_4368-2 ギヤボックスがたくさん作ってある。事前に必要数以上にたくさん作っておき、それを順次使う。歯数は互いに素である。
 全てのギヤボックスにはボール・ベアリングが入っている。予圧を掛けてあるのでガタはない。彼はそこが大事だと言っている。本物と同じようにスプリングで予圧しているのでいつまでもガタが無いと言う。

 Stuは、「私もキットを作っているようなものだ。」と言った。それは祖父江氏の工房での作業を講演で紹介した時に筆者が使った表現である。女工さん数人を使ってキットを組み立てさせるわけである。祖父江氏はその部品を作るわけだ。そうして1ロット200輌の製作が進んだ。Stuは自分でキットを組んでいる。

COM_4348-2 これはギヤボックスを作るジグというべきかヤトイというべきか迷うものである。ブラスの塊りから削り出したものをこのアルミのブロックにネジ止めし、中を Tスロット・カッタで削り取る。Tスロット・カッタは、軸に比べ先が数倍太い円周を持つエンドミルである。ギヤの収納部のエグリをするのである。
彼はロストワックスを一切使用せず、全てを削り出す。

COM_4330-2 ある程度完成したものはこのように並べてある。これらは韓国のAjinの製品である。台車枠が自重で撓んで開いてしまう具合のよくない製品である。

コメント一覧

1. Posted by 鹿ヶ谷   2012年06月22日 17:27
削りだし部品は見てるだけでも快感です。
長いものの削り出しをしないのは応力開放による歪が大きくなりすぎるからじゃないんですか?真鍮角材からペデスタル部分を削りだすと相当歪むと思いますが。
2. Posted by コン   2012年06月22日 22:37
ただただ、感服して拝見しています。作業終了後いつも切り粉を掃除するのは、案外出来ない事です。本物のクラフツマン(日本語では職人)ですね。ところで、一番下の写真にボール盤のチャックが写ってますが、これはアルブレヒトのキーレスチャックでは無いでしょうか?良いものを使われてますね。
3. Posted by dda40x   2012年06月23日 07:46
多分これは、前後が完全に対称だからでしょう。継ぎ手は黒メッキしてあります。多分たくさん事前に用意してあるのでしょうね。
対称的なら二つ重ねて作れば行程が大幅に減りますからね。これは彼一流のテクニックだろうと思います。
4. Posted by dda40x   2012年06月23日 07:53
そうです。
これはアルブレヒトのキーレスチャックです。
私も持っていますが、軸方向が長いので小さな機械では邪魔なこともあり、最近はコレットばかりです。

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