2012年01月18日

続 cat walk, gang way & running board

 日本の鉄道では線路わきに犬走りという場所がある。幅はせいぜい60cmだ。この言葉は建築用語らしい。家を建てるときに、建築士が「犬走りはどうするか」と聞くので、思わず聞き直したことがある。

 城の石垣とか堤防には、必ずある程度の幅(2、3メートル)の「犬走り」がある。大きな仏閣にも軒下にある。明治の初頭に鉄道が敷かれた時、その部分を犬走りと名付けたのは、自然な成り行きであったろう。

 英語では何と言うか、と良く聞かれる。それは、”cess” のはずである。はずであるというのは、アメリカの鉄道関係者に聞いた言葉であって間違いないはずであるが、辞書に載っていないのである。ずいぶん調べたが見つからない。税金だとか色々な意味が書いてあるが、これも建築用語なのだろう。どなたか建築学に詳しい方がいらっしゃれば、その方面の辞書をお調べ願うことも可能であろう。

 舞台関係の言葉で "cat walk" というと、舞台の真上の天井に張り巡らせた回廊を指す。幕とか照明装置のメンテナンスやセッティングなどに使う通路だ。一応手摺があって、転落しにくい構造になっている。
 また、最近はファッション・ショウでモデルさんたちが歩く長い舞台もキャットウォークというのだそうだが、あまり認知されているとは言い難い。たぶん ”run way”(滑走路)という方が一般的だろう。

 話はやや遠ざかるが、最近、ホームセンタや高速道路のパーキング・エリアに「ドッグ・ラン」なるものがあるのを見る。公園の芝生に犬を連れていくと排除されることが多いが、ここでは遊ばせることができるらしい。当然排泄もあるだろうから、公園から締め出すのは正しいだろう。
 この「ドッグ・ラン」という言葉は、和製英語のような感じがする。アメリカで ”dog run” と言えば、それは個人住宅の敷地内にある、犬を放してあるエリアを指す。
 友人の家でその dog run を作るのを手伝った事がある。 3 m × 10 m ほどの大きさであった。敷地全体に放すと、芝生を掘り返すので、ごく狭い範囲に留めるためだ。アメリカ人は芝生をとても大切にする。

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by railtruck   2012年01月18日 09:22
railroad cessでググってみると、ありました。
http://www.railway-technical.com/infrastructure.png

また、このぺージの中ほどにも出ています。
http://ejje.weblio.jp/content/cess

cess (複数形 cesses)
(rail transport) The area along either side of a railroad track which is kept at a lower level than the sleeper bottom, in order to provide drainage.


2. Posted by dda40x   2012年01月18日 13:58
畏れ入りました。 こんなに簡単に出て来るとは思いませんでした。
長年探し続けていたのです。
ありがとうございました。
3. Posted by YUUNO   2012年01月20日 17:20
エキサイト翻訳(http://www.excite.co.jp/world/english/)に「cess」と入れてみたら「汚水溜め」という日本語訳が出てきました。
昔の列車は便所の排水を線路脇に落としながら走っていましたが、それと関係あるのでしょうか。
別の辞書では税金という訳も出てきますが、汚水と税金が同じ単語というのも面白いですね。
4. Posted by dda40x   2012年01月20日 17:44
多分、排水に関係のある言葉です。色々な辞書を引く限り、drainageに関することが多いのです。砕石の下に溜まった水を外に出すという意味でしょう。
保線のために歩くというのは重く見ていないように感じます。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
Categories
  • ライブドアブログ