2012年01月04日

続 Etchant

 初瀬春日氏のコメントにもあるように、塩化鉄(III)水溶液は常に空気と触れさせていないと能力の低下が著しい。このあたりのことは化学的な常識があればすぐ理解できることなのだが、エッチングの手法を紹介した記事を見てもあまり触れられていない。業界の人は常識だと思っているから書かないし、一般人はたまにしかやらないので調子が悪くても気が付かないのだ。

 その点、過酸化水素を用いる方法は気楽である。ただ浸しておくだけで良い。もちろん両面を同時にやるときは裏にも液が回るように何らかの支えを必要とする。

 筆者は30年以上前からこの過酸化水素を使う方法を採用している。業界でも最近は採用例が多くなってきたようだ。しかし、アマチュアが使っているようには見えない。
 日本で市販されている過酸化水素水は3%であり、全く危険はない。鹿ケ谷氏のコメントによれば、オーストラリアでは6%水溶液が市販されているそうだ。筆者の実験では10%以下ならまず問題なさそうである。この程度であるならば、何かあれば冷水を入れると収まる。横に氷水を置いておくことだ。
 15%では非常に危ない。湧き立って、しかも温度がかなり上がる。これは爆発の前兆だ。20%以上の実験は、怖くてしていない。
 発熱しながら気体が出る反応は、反応を抑える方法がない。エネルギが蓄積し、さらに温度が上がる。すなわち連鎖反応が起こっていて、爆発する。氷水では抑えきれないのだ。
 東京の高速道路での爆発はまさにこの状態だ。運転手はタンクに触れて熱くなっていることに気が付いたので退避したら、直後に爆発している。

 少々脅かし過ぎたが、勝手な判断で濃度を上げると大事故になるということは肝に銘じておかねばならない。
この種の情報は、部分的に伝えられて、聞いた人が勝手な判断をすることが多い。「成功事例というものは、そこにある情報を元に完全に再現されたときにうまく行く。」のだが、勝手な改変をして失敗する例はよく聞く。基礎的知識を十分持たない人は、謙虚であるべきだ。


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