2012年01月02日

Etchant

 エッチャントとはエッチング液のことである。

 塩化鉄(III)は銅や亜鉛を酸化し、自身は還元される。すると、ある条件下では沈殿ができることがある。これは二価と三価の鉄イオンが組み合わさった化合物である。また、銅が酸化されたときに二価のイオンができればよいのだが、往々にして一価の銅イオンの化合物ができて沈殿に混じる。塩化鉄(III)を用いる反応は工場のように条件を一定にできる条件なら良いが、素人が扱うには問題点が多すぎる。

「過酸化水素 + 塩酸」は手軽であるのと、銅イオンが二価だけしか出来ないので、あとの処理が容易である。筆者は物好きにも、あとで銅を回収し、廃品回収業者に渡すが、一般人はそこまでやる必要などない。 筆者の処方はいわゆる濃塩酸と3%過酸化水素水を1:1に混ぜるだけである。反応速度が小さくなってきたら、過酸化水素を足す。一回ごとに捨てなくても上澄みをガラス瓶に入れて冷蔵庫に入れておき、次回に過酸化水素を少し足せば使える。反応容器はプラスティックの皿である。冷蔵庫で保存するときは、密栓せずに少し蓋を緩ませた状態で丈夫なポリ袋に入れて口を軽く縛る。多少は過酸化水素が分解して気体が発生するかもしれないので、その安全のためである。過酸化水素の分解は鉄(III)イオンの存在、何かの固体物質の表面が触媒になるので、鉄の釘などを落とさないこと、沈殿は保存容器に入れないことである。
 頻繁にやるのでなければ一回ごと廃棄する方が良い。消石灰と混ぜて反応させ、沈殿を燃えないゴミで出せばよい。銅イオンは毒だと書いてあるサイトもあるが、問題にはならない。ブドウ園に行けば、硫酸銅水溶液をボルドー液と称してばらまいているが、公害が起こったという話は聞かない。

 硫酸の場合は、濃硫酸を水で薄める。この時、かき混ぜながら水の中に少しずつ入れる。逆にすると大事故が起きることがある。かなりの発熱があるから、プラスティック容器が変形することもあるので気を付ける。パイレックスなどのガラス容器中で薄めるのが良い。
 三倍に薄めた物に、過酸化水素水を1:1で加える。塩酸とさほど変わらない腐食速度である。これも同様に液を保存できる。廃棄の仕方も同じである。

 酢を使うこともできる。酢と過酸化水素水を1:1に混ぜると出来上がりだが、多少腐食速度は小さい。これらの反応では酸は、単に銅イオンの相方のイオンになる。銅イオンを水に溶かしているだけである(沈殿ができないようにしているという意味)。酸化剤はあくまでも過酸化水素であって、過酸化水素が消耗する。継ぎ足すのは過酸化水素水である。

コメント一覧

1. Posted by フレッド折澤   2012年01月02日 11:06
TMS217号の「私の鉄道から」欄に、エッチング液の候補がいくつか挙げられています。

この中の「過酸化水素水+アンモニア水」を試したことがありますが、洋白板を沈めておいたところ、小一時間経ってもほとんど腐食されず、ただ露出面がきれいな梨地になっただけで首を傾げました。
それ以来、洋白を均一な艶消しにする技法としてだけ記憶に留めていましたが、記事にあった3%過酸化水素水を14%というのが薄すぎなのかもしれませんね。

アンモニア水の意味は不明なままです。
2. Posted by dda40x   2012年01月02日 14:14
> TMS217号のエッチング液の候補
> アンモニア水の意味は不明なままです。

この件は次々回のネタです。お楽しみに。
3. Posted by 鹿ヶ谷   2012年01月03日 15:28
使用済みの塩化第二鉄溶液を処分ですが、私はセメントを使っています。中和と固化が同時に出来ます。結構発熱するので、プラ容器が溶けないようにセメントは少しづつ加え、念のため大きな容器に水をはってその中で冷やしながらです。

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