2011年07月09日

続 仕掛品の始末

1625 もう一つ、工作台の上の邪魔なものは例のUS HobbiesのChallenger である。購入して以来、定盤の上に鎮座して動かない。購入動機がやや不純で、Lobaughのボイラ形状とどこが違うかを見たかっただけである。形としてはLobaugh の方が正しい。当時のKTM設計陣が何を考えて作ったのかを知りたかったのである。

 ボイラ後半はKTMのBig Boy(祖父江氏製造)と全く同じである。ということは、ターレット、砂箱の底面の曲率がビッグボーイと同じであり、ロボゥの部品が使えない。それが心配でばらしてみるまで気が気でなかった。

 ガストーチであぶって砂箱等を外すと、そこにはとんでもないことが起きていた。砂箱の全周をハンダ付けしたため、内部に水が入る余地がなかった。すなわち、フラックスの塩酸が洗い出せない。それが内部に閉じ込められたまま40年経ったので、内部はガタガタに錆びていた。放置すると、錆びで部品が浮き上がってしまう。
 ボイラには洗うための孔が空けてなかった。祖父江氏の製品は、全ての大きな部品の下は水が入るように大きな穴が空けてある。仕方がないのでモトツールで切り込んで、大きな穴を空けた。

 砂箱はLobaughのロストワックス部品を調達してあったので、その底面を大きな丸やすりで少しずつ削って合わせる。場合によっては、軽く木ハンマで叩いて曲率の修正をする。
 
 砂箱をハンダ付けした。この手の大きな部品を付けるには、炭素棒を使うのが早い。太さ1/4インチのカーボン・ロッドを使い、6Vでハンダ付けする。電流は40Aくらいだ。先端がオレンジ色になるが、部品が厚いので融けることはない。この条件ではかなりの一酸化炭素が発生するので、屋外で行う。出力が大きく、かつ集中するのでハンダ付けは30秒も掛からない。全周囲にハンダが滲み出す、最高の仕上がりである。

 砂箱を取り替えるとビッグボーイの幻影は消え、チャレンジャになった。問題はターレットである。どう削ってもはまりそうもない。仕方ないのでUSHの部品を唐竹割りして付け直した。要するに細くしたわけである。

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