2011年03月21日

Fresno のレイアウト 

 帰国後初の記事である。震災による原発事故の報道には頭が痛い。放射能放射性物質の違いが分からない記者が書く記事は、無用の混乱を招くだけである。英語では radioactivity と radioactives であるから明らかに違う。

「風評被害は報道によって作られる」というのは本当である。数値の報道も単位が間違っているものが多い。たとえば距離と速度とが混同されているようなものである。どうして物理、化学の知識の十分ある人がこの種の報道に携わらないのだろう。
 制御棒が差し込まれた状態で停止した原子炉は、爆発するはずがない。また、水素爆発は高校の教科書にも載っている程度の周知の事実で、当然想定の範囲内である。高温の鉄合金と水の接触では水素が発生するのである。
 核反応が停止した炉内には、半減期の短い中間生成物質が存在する。これらが崩壊するときの熱が問題であるが、それはいずれ収まる。過激なことを言えば、炉外に放出しても2週間程度で収まると筆者は見ている。危険な体内被曝を起こす核種のセシウム137の放出量は、今回はチェルノブイリと比べると少ない。
 すなわち、今回の事故で放出されたある程度の放射性物質の害は、数ヶ月中に問題ないレベルまで下がろうということだ。作業員の被曝も大げさに取り扱われているように感じる。浴びないに越したことはないが、健康に直接の被害があるほどでもない。

 放射性ヨウ素が放出されるのに、事故直後にヨウ素剤を飲ませなかったことについての批判などが色々あるが、こんなことはどうでも良いことである。日本では海藻類を普段から沢山食べている。海藻が濃縮したヨウ素をすでに十分摂取しているのである。だから、新たに発生した放射性ヨウ素は吸収されにくい。
 チェルノブイリのような内陸地ではヨウ素は常に欠乏しているから、たまたまやってきた放射性ヨウ素は優先的に取り込まれてしまう。条件が違い過ぎるので、今回のことは全く気にする必要がない。

 日本は新鮮な水が大量に手に入る国である。それを飲めば体に入った問題のある元素もいずれ出て行く。前述のように内陸部では飲料水の中にそういう元素が常に存在している。すなわちこの場合は移住しか方法がない。

 このようなことを書くと、批判を浴びそうだが、これは客観的な事実である。誰も書かないので、とりあえずこのブログの読者だけにはお伝えしておきたい。

 それにしても津波の被害の大きさには恐れ入った。被災者の心痛には心より同情する。些少であるが寄付もさせて戴いた。

 さて、以前の続きのレイアウト訪問である。Fresnoに新しく出来た全く新しいコンセプトを取り入れたレイアウトである。
 これは栗生氏が紹介された記事で知った。


[2011年6月25日追記]

 震災後3カ月が経ち、その後の解釈を求められている。

 正直なところこれほど全てが後手後手に廻っているとは思わなかった。防げるものを防ぎきれなかったのは、まずかった。
 さて、当初から述べているように、原発周辺の放射性物質濃度は高い。これは致し方ない。
 西北西に伸びた高濃度地帯の地質は、どうやら粘土をたくさん含むらしい。これは筆者の見込み違いで粘土中のゼオライト状の物質にセシウムがひっかかっている。取れにくいらしい。ということは表土だけをはがして洗い、洗液をゼオライトで処理するしかない。この地方にはゼオライトがたくさん埋まっているとみられる。
 下水道の浄化施設で高濃度のセシウムが見つかるのは当然である。衣料用洗剤には、カルシウムイオン等を除くため、ゼオライトの微粒子が含ませてあるからだ。

 問題になっているのは、地表の放射線量である。色々な数字が報道されているが、住民としては元の数字が出るような復元措置をしてくれと主張するのは当然である。しかし、現実にはそれは難しいだろう。
 筆者はコロラド州デンヴァーに行った際、その地の放射線量が高いことを知って驚いた。しかし、その土地で不妊が多いとか、奇形児がたくさん生まれるということは報告されない。アフリカとかオーストラリアにも、高放射線量の場所はいくつかある。

 しかし、福島の場合は、地面の奥ではなく地表に放射性物質があるので、それを吸い込むことは避けねばならない。特に子供は避けたいが、60歳以上の人はあまり関係ないだろう。
 学童疎開という言葉があったが、それは必要だろうと考える。

 多少離れた地域では、それほど気にする必要はないと思う。放射性ヨウ素はもうすでに壊れているし、セシウムは長い半減期のうちの数日で体内から出るので、まず被害はない。ただし高濃度に汚染されたものを毎日食べなければのことである。いずれにせよ、食品は、段階的に食べる人の年齢別に分けて売るべきである。年寄りは数値の高いものを食べて、若い人に数値の低いものを譲ることになる。

 新聞報道などでは、プルトニウムが見つかったとかいう扇動的な記事があるが、最近の測定器は感度がよいので、もともと在ったものまで検出している。それは、大半が昔の核実験により飛散したものである。

 また原発では常に放射性物質を少しずつ放出しているが、それは全く報道されていない。燃料の入った容器からは、希ガスやヨウ素が出るのでそれを逃がしている。検出される前に大半が崩壊するので、知らぬ顔をしている。報道各社はそれを報道しない。抱き込まれているのであるか、無知なのかは分からない。

 今回の事故の直後、風が吹いていない地域でヨウ素131が検出されたのはそれである。もともとそれがどの程度の濃度で放出されているのかは、東電はじめ、電力各社は公表しない。出来ないのである。

 

 
 

  



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コメント一覧

1. Posted by 文系人間   2011年06月24日 15:53
初めまして。

先の地震から3ヶ月以上たちましたが
未だに高濃度汚染水除去の目処さえたってない状況です。
ほんとうに問題の無いレベルまで下がるのでしょうか。
マスコミの報道も信憑性に疑問を感じます。

お考えを教えてくださればと思います。

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