2011年01月23日

続々々 磁気回路

 モータの設計においては、磁力線が外部に漏洩しないようにせねばならない。皆さんのお近くにある缶モータと称するものに、鉄片を近づけてみられるが良い。くっつくものは磁気回路がまともではない。うまく処理すれば、よりトルクが増大するであろう。ちょうど内径の合う鉄パイプをかぶせると良いのである。
 一部のコアレスモータでもそのようなものがあるのは不思議だ。

 いわゆるOpen Frame Motorであっても、適正な磁気回路を設計して界磁を作れば、かなりの効率改善が見られるはずである。
界磁のコアは積層になっているが、直流モータでは積層の必要はない。ムクの軟鋼塊で良い。切るのはレーザで十分ですばらしいものが出来るであろう。

 問題はその積層鋼板を締め付けるネジである。もっとも大事な部分に孔を空けて、こともあろうかブラスのビスで締めているものがある。これは当然鉄ビスを使うべきであろう。
 磁気抵抗が大きい部分があると、磁束は外部へと漏れ出してしまう。磁気回路が途中で遮断されれば磁気漏洩は当然起きる。

怪しいトランス しばらく前のセンタ試験の物理の問題で、閉じていない磁気回路を持つ変圧器が発生する電圧の問題があった。問題を作った人は実際にトランスを作ったことがない人であるのは明白だ。答えは理想的なトランスでの値で、実験値は、想定値の8割くらいであった。
 これを指摘した人は工業高校の先生で、実技の経験豊富な人だ。モータの設計においても全くその通りで、エアギャップは少なく、その他の磁気抵抗も最小になるように工夫せねばならない。
 Lobaugh series wound motorLobaugh motor いま、その形を模索しているところであり、いずれ発表できるであろう。Lobaughと言えども完璧ではない。しかしその電機子の作りはすばらしい。スタティック(静的)なバランスしかとってないが、廻してみても振動をほとんど感じない。

 この写真の軸にギヤがついているのは、そこにボール紙で作った羽根を貼り付けた痕である。例の光学式回転計で測定した直後に撮影したのだ。12V で9700回転であった。

 強磁界によりモータの回転数が1/4になれば、減速比が小さくなり、ベベルギヤ1段でも十分になるであろう。すると容易に、押して動く機関車が実現できる。ウォームギヤは過去のものになる日が来そうな気配である。




 無事であれば、今頃筆者はまた、カホン峠あたりをうろついている。帰国までしばらく休載させて戴く。

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コメント一覧

1. Posted by TS   2011年01月27日 13:43
こんにちは、先日のブラシ状態による効率の変化もそうですが、最終的に機関車の走りを追求するには、駆動系トータルでの性能向上が不可欠であり、管理人さんの目指すところは、なかなか奥が深い感じがします。頑張ってください。

余計なことかも知れませんが…

もちろん、一般論として、磁界を閉じ込めた方が出力は上がるのですが、その磁石の負荷限界を超えないという前提があります。出力が上がると、磁石への負荷が増えますので脱磁しやすくなります。特に、負荷をかけると磁石は発熱しますので、長編成で長時間運転のときは注意が必要かと思います。もっとも、コバルトやフェライトから似たようなサイズのネオジウムへの取替えなので問題ないとは思いますが、、、、近年のKatoのNゲージ蒸気に見られるモーターの超小型化は少し無理してない?といった心配があります。

ちなみに、脱磁が進行すると、出力が著しく低下し、すぐに発熱するようになります。ちょっと走っては停止し、モーター冷却すると再発進、を繰り返すようになります。ラジコンやZゲージやNゲージの市販モーターでそのような経験や実験をしたことがあります。ネオジムでも無茶な負荷をかけると脱磁します。

それと、私はモーターの専門家ではありませんが、ラジコンや鉄道模型のモーターをいろいろいじって思うことは、磁石を変えて出力を上げると、ギヤ比を下げる必要が生じるのですが、ギア機構の改造段階でギヤ精度が下がると、モーター出力や効率を上げた効果は簡単に消失してしまいました。ブラシ状態のメンテも同様です。それに、市販モーターとあまりに特性が変わりすぎると、DCCデコーダのBemfがうまく対応するかどうかも問題がありました(適合するデコーダ探しが必要でした)。

取り止めの無いことを書きましたが、走行性能の追求は、なかなか奥が深いと思います。
2. Posted by dda40x   2011年02月09日 23:56
森井様 TS様
HO以下のサイズの模型とOスケール以上の模型とは動力装置の構成に大きな差があるように感じています。

特に私の模型では伝達効率を極限まで上げていますので、モータの出力の50%以上が牽引エネルギになります。また最大出力4.5Wのモータで2W程度を取り出しています。
 
今回取組んでいるのは大型のやや効率の悪いオープンフレーム・モータを低回転域で使用するとどういう効果があるか、という実証試験です。

効率はさておき、ギヤ比が低下するので実物のような動きをするはずだと期待しています。

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