2011年01月21日

続々 磁気回路

 先日、高橋淑氏にお会いして聞きたかったのは、誰がOゲージ用モータの設計をしたかということであった。なんと祖父江氏であった。Lobaughのモータを元に彼が絵を描き、それを元に電気屋を何軒か回って作るところを探したのは高橋氏であった。道理で、ブラシ支え部分の作りが似ているわけだ。しかし、ほとんど完璧な真似であったのでかなり良いモータであった。
 当初5溝のロータを作ったのだが、プレス型がでたらめで、重ねると極の位置が違って、がたがたになる。巻線機で巻くとひっかってエナメル線が切れてしまう。しょうがないので、ひとつずつヤスリで削るなどということをしていたそうだ。
 より良い抜き型を作るまで苦労したそうである。仕方なく合印を作って、特定の位置で縦にそろえたのだ。

磁気回路短絡 その後、どの位置でも合う抜き型を作るところがあったので、それ以降は合い印はないということだ。昔筆者の持っていた三線式のOゲージの機関車のモータは軸受け部の支え板が鉄板製であった。父は「こんな馬鹿な設計はない。」と憤慨して、ブラスの板で作り直してくれた。要するに磁気回路が短絡されて、トルクが減るのである。

 これについて、高橋氏に聞くと驚くべき答が返って来た。「あれはコストを下げるためにやったのです。無論私は反対しましたよ。でも、『安くせよ』と言うもので仕方なくなるべく薄い鉄板で作ったのを付けたんです。多分動かないだろうと思っていたんですよ。でもトランスをつないだら一応廻りました。社長の『廻るじゃねえか』の一言でおしまいだったんですよ。」

 このあたりに、日本のOゲージがおもちゃで終わってしまった大きな原因が隠されているように思う。「より良いものを作ろう」という気迫が全く感じられないのである。
 ところが輸出用の模型のモータはどれも例外なく、軸受け部の支え板がブラス製である。磁気回路は短絡していない。
 インポータの指示があったのである。当時のインポータは「金はいくらでも払うから良い物を作れ。」と言ったそうだ。

 当初のEB電関の台枠は、ブラスの1mm板であった。それを安くするために0.9 mmにし、さらに0.8 mmまで薄くしたら、強度がなくなった。ところが、蔵前にあったある問屋の下請けが0.7 mmの鉄板で作ってきた。これは安く、丈夫であったのでそれが標準となった。
 台枠を固定するリベットも最初は銅であったのがアルミになった。
 我が家のEB電関はこの鉄板製台枠であった。軸穴の中でブラス製の軸が回転する。当然軸は磨り減って細くなり踊るようになる。またまた父の怒りは炸裂した。
「軸は硬い材料で、軸孔は軟らかい材料でというのは鉄則だ。何を考えているんだ、こいつらは!」とブラスの軸受けを作ってくれた。軸は鉄製のを手に入れたから、改造は簡単であった。

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