2010年12月22日

慣性を増大させる装置

equalizing plan この図面をご覧になれば、軸重配分がお分かり頂けるはずだ。均等配分ではない。例によって、作図はnortherns484氏にお手伝い戴いた。
 この5軸のうち1軸は脱線しない程度の軸重しか掛かっていない。残りの2軸ずつには均等荷重が掛かる。それらにはギヤボックスが付く。ギヤボックスは動力伝達用ではない。慣性増大装置へ運動エネルギを出し入れするためのものである。

uneven weight distribution これは古いLobaughのChallenger 4-6-6-4のテンダ台車である。軸配置は4-10-0とでも言うべきである。古いLobaughのキットを3台同時に組んでいるが、1台だけオリジナルのテンダがあった。そのテンダには砲金鋳物製の台車が付いていた。その台車は非可動で、速く走らせるとポイントで飛び上がる。またジャーナル(車軸の末端部分)も折れる。(現実に1本折れていた!)この側面の鋳物を可動にしようと思うとかなりの加工をせねばならず、なかなか良く出来ている鋳物を壊すのは少々忍びなかった。外観を保存して、なおかつイコライジングしたいので、内側台車にするしかなかった。この鋳物は製造後60年も経つのに、塗装されたものを見るとなかなか味がある。造形として優れているのだ。

 この重いテンダの中に高速で回転するはずみ車を付け、車輪からの回転力を伝える。はずみ車は直径50 mm弱の砲金の連続鋳造の肉厚円筒である。長さ 180 mm で 1.8 kgある。これを車軸の回転数の数倍で廻すと、かなり大きな慣性を持たせることが出来るだろう。

 以前にも述べたが、機関区で単機の機関車がスリップしながら走り出したり、止まる時に動輪を逆回転させているのを見た。本当はやってはいけなかったらしいが、よく見た。模型ではそのような芸当はできない。列車を牽き出す時はそれは可能であるが、単機では出来るわけがない。
 しかしこの方式を採用することにより、この模型のテンダがその質量の数十倍の慣性を持てば、実物のような慣性のある動きを再現するはずである。筆者は高校生の時からこれを考えていた。
 先日、ライヴスティームの平岡幸三氏にお会いするチャンスがあったので、この話を持ち出したところ、「それは面白い、是非やってください。」と背中を押して戴いた。

コメント一覧

1. Posted by カゲノ   2013年02月10日 09:16
はじめまして。
空転する動輪について2013年のニュルンベルクのトイメッセにてROCOというメーカーがHOゲージSLの動輪を空転させている動画がありましたので連携させていただきます。Z21というipad上で操作できるDCCコントローラの紹介の一部なのでDCC制御がからんでいると思われますが、空転の仕組みとか特殊加工した車両なのか通常の車両でも可能なのかなどは不明です。
Schleuderfunktion in der Z21 - Preview auf der Spielwarenmesse
http://www.youtube.com/watch?v=vkmPr5El3uE
2. Posted by dda40x   2013年02月11日 08:52
ご提供の動画見ました。確かに空転しているのですが、不自然な動きですね。テンダ・ドライヴ + ウェイトを掛けない動軸でできそうに思いますが、必然性のない空転はあまり気持ちの良いものではありませんね。あくまでも、慣性を実感させる空転が欲しいのです。

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