2010年12月18日

続 慣性を考える

 昔遊んだおもちゃの自動車のはずみ車は、車輪の回転速度の大体10倍から12倍位で廻っていた。全く怪しい構造のギヤボックスと、鉄板をプレス打ち抜きしたギヤの組合わせであったが、よく走った。しかしそのうちブラスのピニオンが擦り減って、御陀仏となった。小さい方の歯車が軟かい材料で作られているので、すぐ歯が無くなってしまう。そうすると、父は「ひどい設計だ。」と憤慨して、歯車を減っていない方に少しずらしてくれた。そうすれば、またしばらくの間走るようになったことを覚えている。このこともあって、歯車の組合せには人並み以上の注意が向くようになった。
 軸受も0.5mm厚以下の鉄板で、軟鋼の軸が嵌まっていた。摩擦が大きくてキーキー言った。しかし父にミシン油を注して貰うと、廊下の端から端まで、調子よく走った。エンジンオイルを使うと抵抗が大きくなることも分かった。
 
 回転体の慣性モーメントの計算は積分を使う数学の問題で出会った。工学を修めた方なら結果の式を暗記しているはずだ。筆者は覚えていないので、計算して求める。
 大事なことは角速度の2乗で効くことだ。2倍の速度で廻せば4倍になる。実はそれを現実のものにするために、現代の材料で、合理的な機構の試作を行っているところだ。運動エネルギを溜め込む装置が付けば、実物並みの慣性を持つ模型が出来る。これは筆者の高校生の時からの夢であった。いよいよその実現が近付いてきた。

duplicating a lever さてこの写真は、先日のレーザ・カットの失敗で挫折した部品を、手作りで増産しているところである。穴を開けてリーマを通し、シャフトを通して卦書く。ざっと荒取りしてシャフトを通し、ハンダで貼り重ねて周りを削り落す。
 久しぶりにフライス盤の前に立って数時間の作業である。最近はレーザに頼っていて、コツを忘れてしまったので時間が掛かるようになった。



トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by ゆうえん・こうじ   2010年12月18日 12:39
慣性の話がでたついでにフライホイールについて質問させていただきたいのです。角速度の2乗で慣性エネルギーが貯まるということなら、同じ大きさのフライホイールなら一番回転数が高いところ、模型の場合は減速する前のモーター軸につけるのが一番効率がよいということになるのでしょうか?
昔のおもちゃの車のはずみ車には車輪から増速?してまわすようなギアが入っていたような気がします。スペースが許せばフライホイールもモーター軸から増速して回した方が効率が良くなるのでしょうか?
2. Posted by dda40x   2010年12月18日 13:52
>モーター軸から増速して回した方が効率が良くなるのでしょうか?

全くその通りです。昔それを作ってみました。有鉄心の安いモータでは摩擦が大きくて目に見える効果がありませんでした。
その後モーター軸の1.3倍で廻るコアレスモータによる全軸ボールベアリングの機関車は我家のレイアウトを楕力で半周以上走りました。これは記事の中にありますよ。2006年12月6日です。
今作るなら遊星ギヤを使って同軸で増速します。
3. Posted by YUUNO   2010年12月19日 01:34
実際、NゲージやHOゲージの既製品には
モーター軸と同軸にフライホイールの付いた物が多数
販売されていますね。
4. Posted by dda40x   2010年12月19日 07:28
YUUNO様
 佐々木氏の質問に答えて差し上げてください。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
Categories
  • ライブドアブログ