2010年11月20日

Jordan Spreader の構造

 Oswald Jordanという人はカナダで鉄道を保守する仕事をしていたらしい。おもに砂利を均したりする目的でこの車種の原型を作ったとのことである。だからSpreader(押し広げるもの)という名前が付いた。
 それから100年、もっぱら除雪用に進化している。各部の羽根は油圧で動く。これらを空気圧で直接駆動していたら、雪の山にぶつかった瞬間に羽根が閉じてしまうだろう。大きなタンクに高圧空気を貯め、それで油圧装置を作動させていたものと思われる。羽根を動かす時以外は油圧回路を遮断しておけば、大きな負荷に耐えられる。この点、油圧は安心である。

 話は変わるが、以前近くの工場で空気タンクの圧力試験中に、そのタンクが爆発し大騒動になったことがある。そんな馬鹿なことをしていたとは知らなかった。圧力試験は水を入れて行うものだと教えられていたので、にわかには信じられなかった。高圧の空気は、膨張する時に大きな仕事をするので、ハゼた時に危険である。同じ高圧でも水は圧力でほとんど縮まないので、破裂しても、事故になることはない。容器にひびが入る程度のことである。こういうことは学校で習わないのだろうか。

 ジョーダン・スプレッダの前頭部のスキの部分は15センチくらい上下する。先回紹介した動画の中で、踏切で持ち上げている様子が分かる。普通の線路では最大限下げて、レイルの間の雪まで取り除いているが、踏切ではそうはいかない。踏切上に残った雪は結構あるので、押している機関車の雪かきがそれを跳ね飛ばす様子も写っている。

 豪快な雪かきの動画があるのでご紹介する。日本のラッセル車は左右にかき分けるのを旨としているようだが、アメリカのラッセル車は、雪を上に持ち上げて撒き散らすように出来ているようだ。
 吹き溜まりに突っ込んで抜き差しならなくなってしまったり、挙句の果てに脱線させてしまったりした動画がいくつかある。この種のラッセル車は蒸気機関車のテンダに水を満載した物を使うことが多い。

 ヤードの雪かきにはジェットエンジンを搭載した車で吹き飛ばすものがある。以前この車輌の写真を撮ったのだがそれが行方不明で、誰にも信用してもらえなかったが、これをご覧になれば信じて戴けるだろう。アメリカならではの発想である。 

追記 
 栗生氏から教えて戴いたジョーダンの特許を詳しく見ましたところ、初期のタイプは空圧式であって、雪の圧力で動かぬよう、ラッチが掛かるように出来ていました。すなわち、雪の圧力が掛かっているときは、羽根をさらに拡げることはできません。しかし狭くする方向は可能です。
 羽根を動かす時は、ペダルを踏むとラッチを外す別の空圧シリンダが作動し、それから羽根を動かしていたことが判明しました。 後に油圧式に切り替わりました。

コメント一覧

1. Posted by 佐々木精一   2010年11月21日 07:19
>豪快な雪かき
>雪を上に持ち上げて撒き散らす

雪を寄せる事の発想の違いなのか、雪が違うのか、その両方なのか、、、。それにしても、派手な雪かきです。
2. Posted by 佐々木精一   2010年11月21日 19:32
>ジェットエンジンを搭載した車
>誰にも信用してもらえなかった

私は信用します。
1960年代の「子供の科学」「模型とラジオ」に国鉄での試作車が掲載されていたのを記憶しています。
3. Posted by 佐々木精一   2010年11月22日 18:20
国鉄での試作車は、トキ15000をベースにしていたのではなかったかと思います。エンジンの形式は存じません。
試作で終わったのは、エンジンの出力が思いのほか大きくて、雪はおろかバラストまで吹き飛ばしたような結果が出たからだったようです。エンジン装備の角度調整とか、二軸車で済むような出力の小さな、より小型のエンジンを手配する事が出来なかったのかと思いますが、当時は選択肢が少なかったのかも知れません。
4. Posted by 佐々木精一   2010年11月22日 20:37
羽後交通横荘線には二輌の雪掻き車が存在した。
羽後交通横荘線のラッセル式除雪車ユキ1は、元は国鉄キ19で、明治時代のラッセル車の旧態然としたスタイルのままで譲渡された。それを後に羽後交通横手機関区で、国鉄キ100形式に似せたスタイルに改装・改造している。その際の図面などを、1970年当時に横手機関区長であった三嶋吉四郎氏に説明して頂き、また頂戴もした。
同じく除雪車ユキ120は、ト120を改造し、アタッチメントではなしに固定だが、ウイングとして可動式の排雪・除雪板などを装備して広幅式除雪車としたものであって、油圧装置などは装備していなかった。可動式の排雪・除雪板は除雪作業時に展張し、車庫に収容時には折畳む仕様であった。その改造の際の図面なども、機関区長の三嶋氏に解説して頂き、頂戴した。
ユキ120は広幅式除雪車ではあっても、ジョルダン式スプレッダー車輌ではなく、複線用ラッセル車の複線区間の除雪能力を、さらに幅広く高めたようなものである。これは、国鉄奥羽本線の横手からの上り区間と羽後交通横荘線の横手からの下り区間による複線然とした区間の横荘線側を除雪するものであった。除雪時の進行方向は横手から樋ノ口に向かう下りである。この区間の除雪はユキ1による除雪では不十分で、さらに人力による除雪をも必要としていたのである。
ユキ120の除雪は、あくまでも進行方向左手から右手に雪を掻き寄せ押し広げるものであって、雪を遠くに飛ばすとか押し潰すものではなかった。
我が国に、ジョルダン式ではない、羽後交通横手機関区長・三嶋吉四郎氏考案による独自の広幅式除雪車が存在した事を記しておきたい。
5. Posted by dda40x   2010年11月23日 00:42
> 1960年代の「子供の科学」「模型とラジオ」に国鉄での試作車が掲載されていたのを記憶しています。

そうなのです。私も覚えています。だから現地で見た時にすぐ理解しました。バラストが飛ばないので、感心して見ていたことを思い出します。
6. Posted by まーくん   2010年11月23日 07:55
こんにちは
国鉄のジェット雪かき車は「雪と闘う」(だったか記憶が不明確ですが)のVHSビデオで見た記憶があります。
7. Posted by YUUNO   2010年11月25日 06:19
アメリカのラッセル車が高速で走行して豪快に雪を跳ね飛ばすのは、路線が長いのでゆっくり走っていたのではいつまでも除雪が終わらないという理由もあるのではないでしょうか。
その性質上、待避して別の列車を先に通すわけにも行きませんし。
8. Posted by dda40x   2010年11月25日 12:22
> アメリカのラッセル車が高速で走行して豪快に雪を跳ね飛ばす

おっしゃる通りです。ロータリー雪かき車は出力がせいぜい3000馬力程度です。3mも積もっていればロータリーが適するでしょうが1mくらいなら、ラッセル車の方がよいでしょう。

機関車を沢山付ければ出力が増大します。すなわち大量の雪を短時間にどかすことが出来ます。いくつかの動画を見ていると、機関車は最低2台、多いと5台くらいつないでいます。1両3000馬力として15000馬力が投入出来るのですから、こういうやり方になると思います。それにしても高速で走るのは危ないですね。
9. Posted by 佐々木精一   2010年11月25日 15:45
>蒸気機関車のテンダーに水を満載した物
>高速で走るのは危ない

水は満載するかも知れませんが、人が乗務する訳にはいきませんね…。ラッセル車と言うより機関車の前に連結する除雪用具に近いコンセプトのモノなのでしょう。
10. Posted by YUUNO   2010年11月26日 01:03
人はちゃんと乗務していますよ。
障害物のあるところでは、衝突しないようにこまめに羽を操作しています。
Youtubeの動画をよく見ると、踏切の手前でプラウが持ち上がっている様子がわかります。

これは私の想像ですが、日本のラッセル車と違ってくさびが水平になっているのは、雪の重みを利用して、高速走行時に車体が浮き上がるのを防いでいるのではないでしょうか。
11. Posted by 佐々木精一   2010年11月26日 13:42
>人はちゃんと乗務しています

三件の画像のモノで乗務区画が何処なのか御教示ください。
12. Posted by 佐々木精一   2010年11月30日 00:04
>人はちゃんと乗務しています

ラッセル車には乗務しますが、件のスノウ・プロウはどうでしょう。

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