2010年10月17日

Chooch を訪ねて

tunnel portal Chooch Enterprises という会社がシアトルにある。チューチとは汽車の発する音、シュッポッポを英語で言う時のチューチューを短くしたものである。

 Mike O'Connel氏はワシントン州タコマの出身である。マイクとはここ10年くらい、あちこちでよく会うので招待を受けていた。シアトルへはやや行きにくくチャンスがなかったが、思い切ってテキサスの後で行ってみた。直行便でも4時間ほど掛かる。乗り心地の良くない飛行機で、一番後ろでエンジンの真横という最悪の場所であった。当然、窓の外の視界はゼロであった。安い切符を買うと往々にしてこうなるという例である。

 住所をGPSに打ち込んで車を走らせると、山の中の素晴らしい景色の場所に出た。GPSはここだと言っている。しかしそれは山の中の空き地である。よく見ると車が入れそうなところがあり、その路地を進んでいくと広い庭に出た。うらやましい環境だ。
 住宅の向かいに2階建ての大きな建物があり、1階は工房と倉庫、2階はレイアウトという作りであった。

 階下は何を写してもいいけれど、レイアウトは駄目だという。まだ発表する段階ではないからである。
 まず工房の見学をお願いした。マイクは若いときにウォルト・ディズニィ・プロダクションで働いていた。そういう意味では彼は模型作りのプロである。

 マイクのことを他の人たちが「何を見せても満足しないタイプの人間だ。変わり者だからな。」と言っていた理由はそこにある。映画のセットを作るように時代考証を完璧にして、誰にも文句を言わせないような作りの模型を作って来たのである。

 彼は10年ほど前からPROTO48に転向した。全てを1/48にした世界を作るわけである。筆者はどの程度のものか、お手並み拝見というつもりで行ったのだが、そこには驚くべき光景が広がっていた。

 広さは約100坪強である。高低差は2mくらいか。PROTO48の車輌をこれほど沢山所有しているということも驚きだが、作業の進んでいる部分を見せてもらうと、声も出ない。
 極端に精密に出来ている街並みが広がっている。

 Lorell Joinerのレイアウトは確かに凄かったが、それは彼のしたたかな計算に依るものであった。
「ある程度精密なものを複雑に組み合わせた景観を作れば、観客はその密度の効果によって、細密度に対しては注意力が減退する。」という効果をもたらすということに気が付き、実行したのである。これは事実で、実際にそれを見た人は全て、その計略に見事に引掛かる。心理学の応用であり、それを見抜いた彼は天才である。

 Mikeはそうではない。本当に全て1/48の世界を作ってしまうのだ。

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