2010年03月04日
イコライザの設計 その14
複式イコライザの台車枠は自由に転んでしまうと書いたが、それについてよく分からぬというお便りを複数戴いている。模型を作ってみれば一目瞭然なのだが、それを図示するとこのようになる。
車輪の数がいくつあっても自由に傾くが、どんな場合でも軸重は一定になる。BB型電気機関車の台車はこのような構造であるが、転ばないようにいくつかの工夫がある。そうしないとブレーキもかけられない。たとえば、前後の台車が水平面の中だけで回転するように結んでいるものがあるようだ。
台車ごとに二点支持であるから、全体では4点になるが、車体の剛性が少ないのとバネが効いていることによって、線路への追随性 compliance は保たれる。
コンプライアンスというのは脱線を防ぐ最も大切なことであり、イコライジングすることにより格段の性能向上が見込める。車輪の跳躍があっても重力加速度以上の加速度を与えて圧着させるので、フランジが外れにくくなるのだ。模型においては集電が良くなる。「 落下速度が…」というコメントがあったが、それは完全な間違いだ。重力加速度は変わらない。
クロス・イコライザがあると左右の群が一点で支えられると書いたのだが、これも良く判らぬというご意見を戴いている。先回のアトランティックの後動輪と従輪はこのクロス・イコライザで結ばれているわけで、前部が 1/2h 持ち上がって、多少後ろに傾くわけだ。軸重は正しく保たれるのだが、やや複雑で分かりにくい。それでは最大限に単純化してみよう。
クロス・イコライザの最も簡単な例を示すとこのようになる。手前の青いイコライザに注目して、その左右につながっている二輪を展開すると右下のような状態になる。
これは上記の「傾く台車枠」と同じであって、一点で支えられていることになる。すなわち、自由にひねることができる。Bタンク機関車の懸架装置は、こうなっているものが多い。
先回のアトランティックの先台車廻りの構造は、多少ややこしいが、ほぐして考えるとこの図のように考えることができるはずだ。先台車と第一軸と片方が持ち上がって車軸が傾いても、実質的に1点で支えられているから機関車フレイムはねじられず、ただ段差の半分だけ前方支持点が持ち上がるというわけである。
クロス・イコライザの意味が分かって、等価図が描ければ、イコライジングの設計は容易である。
車輪の数がいくつあっても自由に傾くが、どんな場合でも軸重は一定になる。BB型電気機関車の台車はこのような構造であるが、転ばないようにいくつかの工夫がある。そうしないとブレーキもかけられない。たとえば、前後の台車が水平面の中だけで回転するように結んでいるものがあるようだ。
台車ごとに二点支持であるから、全体では4点になるが、車体の剛性が少ないのとバネが効いていることによって、線路への追随性 compliance は保たれる。
コンプライアンスというのは脱線を防ぐ最も大切なことであり、イコライジングすることにより格段の性能向上が見込める。車輪の跳躍があっても重力加速度以上の加速度を与えて圧着させるので、フランジが外れにくくなるのだ。模型においては集電が良くなる。「 落下速度が…」というコメントがあったが、それは完全な間違いだ。重力加速度は変わらない。
クロス・イコライザがあると左右の群が一点で支えられると書いたのだが、これも良く判らぬというご意見を戴いている。先回のアトランティックの後動輪と従輪はこのクロス・イコライザで結ばれているわけで、前部が 1/2h 持ち上がって、多少後ろに傾くわけだ。軸重は正しく保たれるのだが、やや複雑で分かりにくい。それでは最大限に単純化してみよう。
クロス・イコライザの最も簡単な例を示すとこのようになる。手前の青いイコライザに注目して、その左右につながっている二輪を展開すると右下のような状態になる。
これは上記の「傾く台車枠」と同じであって、一点で支えられていることになる。すなわち、自由にひねることができる。Bタンク機関車の懸架装置は、こうなっているものが多い。
先回のアトランティックの先台車廻りの構造は、多少ややこしいが、ほぐして考えるとこの図のように考えることができるはずだ。先台車と第一軸と片方が持ち上がって車軸が傾いても、実質的に1点で支えられているから機関車フレイムはねじられず、ただ段差の半分だけ前方支持点が持ち上がるというわけである。
クロス・イコライザの意味が分かって、等価図が描ければ、イコライジングの設計は容易である。