2010年01月11日

Carbon Rod Soldering  その2

 なぜカーボン電極なのかということについてお話したい。

 黒鉛は電気を通すが、異方性(向きによって性質が異なること)があり、特定の方向では電気が流れにくい。と言ってもその辺に転がっているものは、異方性がある様な高級品ではなく、どの方向にも同じような抵抗値をもつものが多い。
 さて、抵抗に電流を通すと、ジュール熱が発生する。それは最も抵抗が大きいところに沢山発生することは自明だ。接触部分は面積が小さいのでそこで熱が発生するだろう。

 黒鉛の特性として、熱の良導体であることがある。すなわち、先端部分で発生した熱は、工作物に速やかに吸収されるだろう。そしてハンダの融ける温度以上に加熱される。

 その時、半分弱の熱は手元の方に逃げる可能性がある。逃げても先方に熱が伝わる量が多いので、ハンダ付けは簡単に終わる。

 ここまでお読みになれば、どのような構造の炭素棒を使えば良いかはお分かりだろう。長いと損である。途中で熱が発生するだろう。
 bestの構造は先端近くまで銅で巻いた構造である。電位差が先端に集中するようになっている。

 ピンセット型のものもあるが使い心地はあまり感心しない。ニッケル合金製抵抗線の太いのを使うのだが、全体が赤くなるので効率は悪い。先を尖らせてその部分だけでつまめばよいが、小さいものしかつかない。
 やはり炭素棒あるいは炭素クランプがよい。


コメント一覧

1. Posted by 村田   2010年01月12日 09:13
便利そうなものなので「日本製のものはないのか?」と電気関係の友人に尋ねたところ、以下のものを教えてくれました。
http://www.hozan.co.jp/catalog/Desoldering_Tools/HS401.htm

この製品、どうやら「ピンセット型ハンダこて」の形式のもののようで、通電はせずに先端を瞬間に熱くするもののようです。
ただし、用途はハンダ付けではなく「基盤上のパーツ外し」のようです。

使えるのかな?と思案中。
2. Posted by dda40x   2010年01月20日 12:00
 これは違いますね。

 炭素棒ハンダ付けは、難しいことを考える必要はありません。やってみれば誰にでも出来ます。不要なトランスがあればすぐ出来ますから、試してみてください。 

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