2009年10月04日

Steam Ejector Chiller

Steam Ejector Chiller 飽和蒸気圧という言葉は高等学校の化学の時間に出てくる。液体がその気体とのみ接するときに気体の示す圧力で、温度のみの関数である。
 要するに、温度を決めれば圧力が決まり、圧力を決めると温度が決まるというわけである。蒸気を噴射して容器内の空気を外に放り出すと、圧力はかなり低下して真空に近くなる。27℃での飽和蒸気圧は1/30気圧位であるから、この程度の真空度では話にならない。5℃くらいでは1/100気圧位であるからこの程度の真空度が得られれば、水は激しく蒸発して、その気化熱で5℃くらいの水が得られるであろう。それを循環させて冷気を作り出すべく、熱交換器に通すというわけである。戻った水は減圧タンクの中に撒き散らされる。表面積を大きくし、蒸発を助けるためである。
 硬水の場合は、時々内部の水を捨てないとスケール(カルシウム塩が析出すること)がたまるであろう。水位を保つのは結構面倒な作業である。人が付きっきりでないと確実な作動は難しい。蒸気の使用量も多かったであろう。 

 このような目的の高性能なエジェクタが当時の知識で容易に作られたとは思えないが、それらしいものは可能であったのかもしれない。あるいは、もう少し真空度が低くて15度くらいの水で我慢していたのかもしれない。温度が低くないと、除湿効果が低いので快適さは少ない。

 最近、日本の役所が提唱する28℃を保つ運動は、そこのところがおかしい。低湿度に保てば、28℃でも快適なのだが、ただ温度を保つことしか考えていないので湿度が高く、不快である。一部のエアコンを低温で作動させつつ、良く空気を攪拌して、全体として28℃を保てば、湿度は確実に低下する。近くの役所にそれを提言したのだが、担当者が全く理解できないようなので諦めた。
 この国の科学教育の底の浅さが露呈している。

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コメント一覧

1. Posted by ワークスK   2010年02月20日 00:52
arxさんのブログに、「カナダ・アルバータ州第二の都市カルガリーのCP RAIL(の駅で)、真夏であったにもかかわらず、列車から蒸気が洩れている……」という話が登場しました。これ、この冷房装置じゃないでしょうか。

http://riogrande.blog.so-net.ne.jp/2010-02-19-9?comment_success=2010-02-20T00:44:34&time=1266594274
2. Posted by dda40x   2010年02月20日 12:18
>真夏であったにもかかわらず、列車から蒸気が洩れている……という話が登場しました。これ、この冷房装置じゃないでしょうか。

 間違いないですね。冬季の暖房と同程度の蒸気消費で冷房が可能と52年版のカ―サイクロに広告が出ているのでそれですね。

 現在でも稼動中のものがあるのでしょうか。 

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