2009年09月02日

続 不思議な表現

 もう一つは線路の半径についてである。小さい半径の線路の上を走れる限界を調べて、80mmであったので…というくだりがあった。それは結構である。だから内側のレイルの半径を決めて作図した話が載っている。作者はそれが正しいと信じているのだから、それはそれで良い。

 ところが編集者が、いかにもそれに感心したように書いているではないか。これはおかしい。世界中の鉄道のうち、どこかに内側の半径を表示するものがあるのだろうか。
 しかもその内側レイルの外側なのか内側なのかの表示もない。工作の手間を考えるとレイルのベースの部分の寸法を出す方が楽である。何かおかしい。

 これが不思議で、誰かに話そうと思っていたところ、クラブの例会で伊藤剛氏にお会いした。氏は開口一番、この話を振って来られた。
「作者はそう思い込んでいるのだろうが、編集者がいかにも感心したように書いているのはおかしいです。」
 全く、筆者と同じ意見であった。「おお、あなたもそう思いますか。よかった、よかった。dda40xさんがそれでいいと言ったら、どうしようと思っていたよ。鉄道は中心線で物を考えるのです。ゲージは変化することもあるからね。今度会ったら言っとこう。でもしばらく行かないから忘れちゃうね。」
 
 メディアに携わる人たちには、相当の責任がある。常識のない編集者は読者に害を与える可能性がある。いくら趣味の本と言えども、「本当はこうだ」と言えない編集者など存在する意味がない。

 やはり、査読者が必要なようだ。 

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コメント一覧

1. Posted by 春岡電鉄   2009年09月02日 21:59
編集者の手帖は、「実物のカーブは線路の中心を基準としており、模型は軌道の中心を基準として1本線で示している」と書くべきであった。どうやら線路と軌道の違いもご存知無いようである。

レイアウトプランの1本線は実物でいう軌道中心線のこと。線路中心線とは、トンネルや高架橋をつくるときの基準となる線形のことであり、複線ならば上下線のほぼ中間である。

模型でもベニヤ路盤をレーザーカットしてくれるが、中心の曲率をR=1200mm、切出し幅100mmなどと指示すれば複線でも間違うことは少ない。
2. Posted by carabao   2009年09月03日 19:52
はじめまして。私は鉄道模型とは関係ありませんが編集者です。この話を読んで耳が痛いのと同時に、感動しました。鉄道趣味は「趣味」ですから、個人レベルではいくらでも好き勝手なことを言っても許されます。しかし発信者側になったらそれではいけないはずですが、この世界は意外とそうでもないのです。知識が乏しいなら調べればいいのですが、思い込みや主観で情報を発信してしまうのは罪です。私もたくさんの罪を犯して来たかもしれませんが、真摯に取り組む姿勢だけは失わないようにしたいと思います。
3. Posted by dda40x   2009年09月03日 22:27
御二方からコメントを戴き、感謝します。

インターネットの影響で、既に雑誌の存在意義は薄れてきています。
あの記事を見るとその退潮を自分で進めているように感じるのです。

やはり査読者を探すしかないのでしょう。各分野で数人選べばよいことで、私の知っている範囲でも適格者が見つかります。
4. Posted by ゆうえん・こうじ   2009年09月05日 16:36
5 趣味雑誌の場合、学術雑誌のように厳密に考える必要はないのかもしれませんが、やはり査読は必要だと思います。それもできれば編集部外に査読者をおいた方がよいと思います。おそらく現在の鐵道模型関係の雑誌では編集部に査読を求めても、人手も特殊な領域になると知識も不足しているので無理だと思います。
査読後一旦著者に戻して、その査読がおかしいと思うのなら他誌に投稿すれば済む話です。また仕事で論文を大量生産していたころの話ですが、自分の考えがまとまらない場合、査読者がアドバイスを書いてくるので、それを参考にまた手をいれると、論文の質が上がるというテクニックはよく使っていました。
あと学術雑誌と同じように、印刷前の最終稿で著者チェックを入れさせてほしいと思います。以前某誌にお願いしたことはありますが、時間的に無理だと断られました。
5. Posted by メイン2フター   2009年09月09日 18:38
メディアチェックは米国型の好きな編集者が書いてますが、雑誌としての「公器」を自覚しないで、自分の趣味の延長で書いてるような気がしてなりません。
そんな内容なら、自分のブログで私人として書けばいいことです。この編集者はホムペもブログもやってますから。
一度、石橋氏に電話かけて抗議してみられては如何ですか?
今の雑誌は「物言う読者、天下のご意見番」が必要です。
6. Posted by nagato   2009年09月10日 10:49
5 Posted by メイン2フターと同意見です。
雑誌と同人誌の区別がついていない様な印象を受けます。
鉄道イベントでこれを書いている編集者をたまに見かけますが、Nゲージの一般的なJR車の走るレイアウトとかはおなざりにして米国型森林鉄道関係のところに長々といる様です。
7. Posted by 元TMS定期購読者   2009年09月10日 19:55
ヤマ氏亡き後の編集部は公私のけじめのない編集者が誌面を私物化してるように見えます。
また編集も「手抜き詰め込み編集」になってるようにも感じます。
ヤマ氏は個性が強く独善的なところがありましたが、メディアとしての強い自覚を感じ取れました。またヤマ氏の編集はメリハリがありました。
ヤマ氏の箍(たが)が外れた途端、放任主義に変わってしまったようです。
これでは読者が一人二人と離れていってもやむ無しでしょう。
8. Posted by 鉄道以外の編集者   2009年09月11日 19:01
前に業界の方もご指摘ですが、正直のところ、鉄道模型以外のジャンルの雑誌であっても、学術雑誌以外は似たようなものです。
世代交代でどうしても編集者が小粒になっているというのもありますが、やはり雑誌には寿命があり、「熱」がなくなると急速にだめになります。あの雑誌は山崎氏が現役を引退されたところで使命を終えたのだと私は考えています。
9. Posted by dda40x   2009年10月23日 07:27
 先日ある会合でお会いしたTMSの常連投稿者がこのようなことをおっしゃいました。

「dda40xさんのおっしゃることはすべて正しいですよ。しかしね、TMSも変化したのです。気楽な雑誌になったのですよ。載ればうれしいから、だれでも書くでしょう。その程度が高くても低くても関係ないのです。そういう雑誌になったのです。このような編集方針だということがわかってれば、御腹立ちも収まるでしょう。」

 そうかもしれない。
 

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