2009年05月17日

最適化

 Oゲージ(31.75mm)は世界中で採用されているゲージである。縮尺は3種あるが、どれもそれなりに発展している。
 Qゲージ(29.90mm)はアメリカにしかなかった。一時は淘汰されたが、Proto48として再起しようとしている。前途は多難だ。新しい規格で、線路、輪軸とも作り出すのは困難が伴う。

 約100年の時間をかけて最適化された結果、Oゲージがある。実物に比べて急な曲線を走行可能にし、適度なスケール感があるからだ。筆者の好む長大編成を走らせることができるのもOゲージだからこそである。Proto48では直線上でしかできないであろう。

 日本の16番は、登場以来60年以上経つが、そもそもの条件として、「日本は貧しい国であった」というのがある。輸出品の線路・車輪を利用しようというのがそのきっかけであると、山崎喜陽氏は繰り返し書いていた。
 趣味の世界は遊びであるから、貧しいということを条件に入れるのは正しいことだったのだろうか。夢を形にすべきではなかったか。誤解を恐れずに言えば、正しい遊び方は、贅沢をすることであろう。経済的に余裕のある人が考えた方法を採用すべきであったかもしれない。

 もうかなり前に亡くなったが、進駐軍の将校であったS少佐は、
「日本人は変なことを始めた。やめておけと言ったのに1/80,16.5mmを始めた。当然1/48、22mm(Sゲージ)を始めるべきであった。」と筆者に話しかけたのだ。
「それよりも小さいゲージをやりたければ、1/64,16.5mmという手もあった。日本国鉄はナロゥゲージだということが、彼らには判らないのだ。」と筆者にぶつぶつと文句を言った。
 「1/87ならTTゲージ(12mm)を使わねばならないが、そこまで小さくなるとモータが手に入らないからな。」とかなり細かく考えていてくれたようだ。
 このS少佐とは、70年代にシカゴのNMRAのショウで知り合った。体格の良い陸軍軍人であった。

 古いTMS(一桁号あたり)には、多分この人のことであろうと思われる記述がある。

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