2009年03月16日

続 American Standard Car Co. の客車

American Standard Pullman Car このように作られたウレタン鋳造の側板は、木製の床板の上にジグを用いて接着剤で取り付けられる。妻板は断面が台形のソフトメタルである。大変優れた造形で屋根板の凹みにぴったりはまる形状になっている。これもエポキシ接着剤で取り付ける。

American Standard Heavy Weight passenger car 床下器具はソフトメタルで出来ていて適度の質量を与える。台車はデルリン(ポリアセタール樹脂)のインジェクション・モールドで摩擦が少ない。それにステンレスのLow-D車輪が取り付けられる。



 ヘヴィ・ウェイトの客車はこのように構成されているが、軽量客車はまったく別の方法を採用している。ポリスチレンの板を接着して作る。

American Standard Daylight passenger car 窓の位置を正確に打ち抜くのは、高度な技術を要求される。窓を抜くとき、水平方向(X軸)、縦方向(Y軸)を決めて抜くのは、機械の設定上も面倒である。そこでうまい方法が考えられた。窓穴はX軸だけしか精度がない、やや大きめの穴である。
 窓枠等の寸法が一定のものはインジェクション・モールドで作る。腰板の寸法は一定なので、側板下部を基点として、腰板、窓枠、幕板という順番に積み上げていけば窓の高さ(Y軸)は自然にそろう。窓枠の入る開口部は上下に隙間があるので、窓枠のバリもその中に納まり、削る必要も感じなかった。
 幕板は上にはみ出した状態で接着され、硬化後余分を切り落とす。こうして出来た側板は十分な強度と精度を持ち、床板に接着される。
 窓と窓の間の板は、所定の幅に切ってはめ込んで、接着剤を滲み込ませればよい。

 この方法が賢いのは、X軸、Y軸の精度を別々の部材に分散したことである。また、精度の要る窓枠部品のみをインジェクション・モールドにしたので、初期費用が抑えられている。板を正確な幅に切るのは簡単なことであるから、それを使えば簡単に位置決めが出来る。
 
 窓枠は内側がガラスがはまる様に凹んでいるので、窓ガラスがかなり外側に取り付けられ、よくある模型的な側板の厚みが感じられない。このあたりの造形の妙はラルフの感性そのものである。

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コメント一覧

1. Posted by 読者   2009年03月16日 13:03
5 このような合理性に基づく創意工夫が見られるのはアメリカ製ならではですね。国内のメーカーでは今でも古い方法が続いています。
2. Posted by dda40x   2009年03月16日 16:32
 この方法では窓配置が異なる車両を簡単に製造できます。窓枠さえあれば、どんな車輌でもたちまち出来てしまうところが面白いですね。
3. Posted by 読者   2009年03月18日 07:00
5 返信を頂き、有難うございます。この技法は他の用途にも応用できそうですね。

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